「直接頭を下げに来たことに相当気を良くしている」 総裁選のカギをにぎる「麻生太郎最高顧問」が推す“次の首相候補”
“議員票”の重要度
ところが、だ。
「今般、自民党員の中でも特に高市氏が支持基盤としてきた右派・保守層はすでに党籍を離れ、参政党や日本保守党に流出しているといわれている。また昨年は、反石破票が高市氏に集まった側面は否めない。今回は前回ほど党員票の得票は期待できないかもしれません」(前出のデスク)
政治ジャーナリストの青山和弘氏はこう言う。
「石破首相は出馬しないので、首相が獲得した党員票が流れれば、小泉氏が高市氏を抑えて党員票で首位に立つ可能性もあります」
前回は9名の候補者が乱立した結果、各候補者の20名の推薦人だけで当時、367票あった議員票のうち180票が食われた。9名で残りの187票を分け合った形だ。当然、1回目は議員票で大きく差がつかず、党員票が勝負を決した。だが、今回は前回より候補者が少ないとみられている。その分、奪い合う議員票は多くなる。
「つまり、前回よりも議員票が結果に与える影響は大きい。しかし今回も支持が分散し、1回目で勝負が決まらない可能性はある。その場合、高市氏と小泉氏が決選で争う展開になりそうです」(前出のデスク)
決選になれば、議員票と各都道府県連票の合計で勝敗が決するので、なおさら議員票の重要度は増す。
「麻生氏が一番買っているのは……」
その議員票の行方について鍵を握るのは党の重鎮だ。菅義偉副総裁(76)や森山裕幹事長(80)は前回同様、小泉氏の支援に回るものとみられているが、特に今、注目を集めている人物がいる。麻生太郎党最高顧問(84)である。裏金問題を受けて、他の派閥が解散する中、麻生派だけはなおも派閥を維持している。麻生派43名をバックにつけることができれば、一気に有利になろう。
先のデスクが言う。
「参院選直後から茂木氏は何度も麻生氏と会談・会食を重ねていますし、高市氏も麻生氏と7月中に面談して、支持を取り付けようと動きました。小泉氏も8月6日、国会内で30分以上、麻生氏と話し込んでいます。各候補、麻生氏の歓心を買おうと躍起なのですが、麻生氏が今、一番、買っているのは小泉氏です。麻生氏は小泉氏が直接、頭を下げに来たことに相当気を良くしているのです」
高市氏が小泉氏に比べて、議員票で不利な点はほかにもある。
「高市氏は昨年の推薦人20名のうち、実に9名が直後の衆院選や今年の参院選で落選・不出馬となっています。もっとも、推薦人20名のハードルはクリアできる見込みです」(同)
次のような話も。
「高市氏が頼みの綱としているのは旧安倍派なのですが、旧安倍派はすでに瓦解し一枚岩ではありません。少なくない中堅・若手は小林氏の支持に回るものとみられています」(同)
現在の状況を総合的に勘案すると、総裁選レースのトップを走っているのは小泉氏で間違いないように見える。だがしかし、このまま順調に勝ち切れるかどうか、疑問視する向きもあるという。次期衆院選も見据え、駆け引きが行われる総裁選の行方については、9月11日発売の「週刊新潮」で詳報する。







