なか卯の「親子丼」絶賛で話題の75歳 「矢沢永吉」がカリスマ性を失わない理由
1972年にデビュー
ロックは若者の音楽というイメージがある。しかし、歳を重ねても若い頃と変わらない元気な姿を見せてくれるアーティストも存在している。日本でその代表例と言えるのが矢沢永吉である。1972年にキャロルというバンドでメジャーデビューを果たして以来、現在に至るまでロックスターとして活躍を続けている。75歳になった今も彼が現役のトップアーティストとしてカリスマ性を失っていないのはなぜなのか。【ラリー遠田/お笑い評論家】
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矢沢の魅力を語る上で欠かせないのは、彼が長年にわたって同じイメージを保っていることだ。白いスーツに身を包み、肩にタオルをかけて歌う姿は、何十年経ってもファンの脳裏に焼き付いている。もちろん年齢とともに顔つきや体格は多少変わるが、全体のスタイルや雰囲気は驚くほど一貫している。
もちろんそれは徹底した自己管理によるものだろう。彼は夏でもリハーサル時に電気ストーブを持ち込み、ステージ本番の過酷な環境をシミュレーションして歌い込むのだという。肉体を鍛えることを怠らず、声と体のコンディションを整える努力を重ねてきたからこそ、「永ちゃんは昔と変わらない」という評価を保っていられる。年齢を重ねても「いつ見てもかっこいい」と思わせる存在感が、多くの人にとって憧れの象徴になっている。
また、ずっと変わらない姿を見せる矢沢は、未知のものを受け入れない頑固な人間ではない。むしろ、音楽界では誰よりも率先して新しいものを取り入れてきた。いまや彼の代名詞とも言える「YAZAWAタオル」も、最初はライブ中に自分の汗を拭くためだけのものだった。それが商品化され、ファンの間で爆発的に広まった。いまやタオルはほかのアーティストの間でもライブのグッズの定番品となっているが、その先駆けは矢沢なのだという。
電子チケットの導入や携帯サイトの開設など、新しいシステムも積極的に取り入れている。彼は時代の流れを読んで、常に柔軟な発想で変化を受け入れる。単なる保守的なロックスターではなく、時代を読む嗅覚と好奇心を持ち続けているからこそ、常に現役であり続けられるのだ。
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