「チームの稼ぎ頭の年俸が過去に1億円を超えたことも」…インドネシアで活躍「南部健造」選手が明かす“凄まじいサッカー熱” 地元選手には“追っかけも…
年間1億円で非課税のケースも
多くの選手がインドネシアでのプレーを選択するのは、W杯出場を始めとするプレーヤーとしての夢や目標もさることながら、各クラブの手厚いサポートも背景にあるという。実業家や石油などを保有する資産家、華僑といった面々がオーナーを務めるインドネシアの各クラブは、潤沢な資金で補強を進め、自チームの強化に奔走しているそう。そのため同国のサッカー界は、高いレベルの競争が生まれ、選手の年俸も高騰。数年前に比べると、やや落ち着きを取り戻しているものの、俄然“バブル状態”にあると言っても良い状況だ。
「詳しいことはわかりませんが、僕の年俸は、日本でプレーしていた事と比べると10倍近い金額ではないかと。僕がBRIでプレーすることになった3年前の話になりますが、当時、同じリーグの他のチームで1番の“高級取り”とされていた選手の年俸は、1億円くらいで。また、噂によると、また別のチームには約1億5000万円の選手も在籍していて、彼がリーグ1の“高給取り”だと耳にしたこともあります」
南部選手は、自身の“好待遇”について、こう続けた。
「日本と違って、インドネシアでは選手に課せられる税金や、光熱費、家賃の一部はクラブが払ってくれるんですよ。なので、生活費もほとんどかからず、給与の額面をそのまま手取りとして受け取れる点は、BRIでプレーする大きなメリットかなと思います」
南部選手がプレーするBRI1部は全18チームで、今季からはルールが変わり、1チームにつき最大11名の外国人選手の在籍が可能になった。だが、公式戦のベンチ入りが許されるのは8名までで、南部選手を含む外国人は、試合出場を懸けた厳しい競争に身を置くことになる。
「思うような結果が出ない時には、チームスタッフが一言も口を聞いてくれずに、肩身の狭い思いをして過ごすこともありました。でも、試合で活躍した途端、彼らの態度が急変し、フレンドリーに接してくれるようになったりして……(苦笑)。異国の地で“外国人”としてプレーする難しさや、結果が求められる厳しさを何度も味わいました」
だが、そのようなプレッシャーを背負いながらも、身長173cmでサッカー界ではやや小柄な南部選手は、自身の強みとする献身的な動きと俊敏性に磨きをかけ、チームで存在感を示していった。
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