「チームの稼ぎ頭の年俸が過去に1億円を超えたことも」…インドネシアで活躍「南部健造」選手が明かす“凄まじいサッカー熱” 地元選手には“追っかけも…

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 サッカー日本代表はアジア最終予選を1位で終え、2026年北中米W杯の出場権を手にしたが、日本代表の安定した戦いぶりとともに注目を集めたのが、新興勢力の台頭だろう。

 特に日本代表と同じC組の4位に入り、アジア予選プレーオフに進出したインドネシア代表は、かつてはFCバルセロナなどで活躍したオランダ人のパトリック・クライファート氏が監督に就任。かつての宗主国だったオランダをはじめとする欧州からの帰化選手が代表チームに加わり、着実に力を伸ばしている。

 昨シーズンまでインドネシア国内リーグBRIのバリ・ユナイテッドとボルネオFCに在籍した南部健造選手(33)に、成長を続けるインドネシアサッカーの今を語ってもらった(全2回のうち第1回)。【白鳥純一/ライター】

サッカーが国技を上回る人気競技に

 人口は世界第4位の約2億8160万人 (2024年・日本貿易振興機構調べ)。その約4分の1を15歳以下が占め、若さと活気に満ち溢れたインドネシアでは、サッカー熱が急速に高まっているという。

「インドネシアの国技はバトミントンですが、僕の感覚ではサッカーが人気の点では上回っているような印象を受けます。地元クラブのプレイヤーをアイドルのように追いかける女性も増えていますし、多くの若い世代がサッカーに夢中になっていて、その勢いは凄まじいものがありますね」

 そう話す南部選手は、バリ・ユナイテッドとボルネオFCに在籍し、ボランチとして21試合に出場し、チームを支えた。

「僕が昨年在籍したボルネオFCは、スペイン人指揮官の元で戦術が浸透していて、成績も良かった(リーグ4位)んですけど、多くのチームが戦術や組織力の指導に力を注いでいるものの、まだ一部にしか浸透していない現状はあるのかなと。ミーティングでは監督から細かい指示が飛び交うものの、実際の試合になると個人の能力に頼っているチームがまだまだ多いので、一芸に秀でた選手が活躍しやすい傾向はあるのかなと思います」

 南部選手のコメントからは、インドネシアのサッカーにまだまだ発展の余地があることも窺わせるが、帰化選手の加入や、積極的な投資を続ける各クラブの努力の甲斐もあり、着実にレベルアップを続けている。

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