5キロ7800円も… 新米価格は「昨年の1.5倍から2倍に」 備蓄米には業者からクレームが殺到 「売り切れないのでキャンセル」「店頭陳列はやめた」

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「備蓄米のうち3割が出荷できていない」

 しかも、である。件の「小泉発言」からさかのぼること5日の8月20日、農水省は8月末としていた備蓄米の販売期限を、延長すると決めたのだった。

 これぞ小泉劇場の真骨頂、備蓄米放出は参院選に向けた“やってる感”の演出に過ぎなかったといわれるゆえんである。

 先のデスクに聞くと、

「小泉氏は新米が出回るまでの救済策として、備蓄米を8月末までに売り切る約束でした。ところが、いまだ随意契約をした一部の業者に引き渡せていないのです。5月以降、政府は約32万トンの随意契約を結びましたが、キャンセルされた4万トンを除いて、全体の約3割にあたる10万トンが出荷できていません。すでに契約した業者から不安の声も上がっていたので、販売期間を延長せざるを得なかったのです」

「小泉さんによるパフォーマンスのための備蓄米」

 備蓄米放出が決まった当時、小泉氏は「スピード感をもって対応したい」と宣言していた。自ら楽天グループの三木谷浩史会長兼社長(60)と面会して、通販大手とタッグを組む姿勢をアピール。いざ5月末に備蓄米の流通が始まると、大型量販店のドン・キホーテやイオンへ足を運び、テレビカメラの前で自らの成果を誇ってみせた。

 5キロ2000円前後の破格な店頭価格と相まって、「小泉米」などともてはやされたが、ふたを開ければ、いち早く届けられたのは一部の業者だけだったのだ。

「5月末から6月頭に店頭に並んだ分は、いわゆる小泉さんによるパフォーマンスのための備蓄米だったんだと思いますね」

 とは、岐阜県岐阜市の米卸売業者「ギフライス」の恩田喜弘社長である。

「6月は備蓄米ブームのような状況でしたから、当社も120トンを随意契約したんです。ところが、希望した6月末には一粒も届かず約2カ月ほったらかしにされましてね。8月末の販売期限ギリギリの19日になって、ようやく10トンだけ入荷しました。随意契約したのに全然納品されない小売も多いそうで、丸々キャンセルした業者もあると聞きます」

 後回しにされた業者は備蓄米の売り時を逸したとして、恩田社長はこう話す。

「品質を確認するメッシュチェックや積み替え作業に時間がかかって、すぐには出荷できなかったようですが、もはや備蓄米は売れ残っているところもある。当社としても、とても残りの契約分を売り切ることはできないですからね。せっかく契約しましたが90トン以上はキャンセルすることになると思います」

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