「めっちゃ下手くそですね」 元競泳女子日本代表が言われた衝撃のセリフと、そんな彼と結婚した理由

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 人生いろいろ、家族もいろいろ、幸福の形もいろいろ。近年、「結婚がゴールではない」という声も大きくなりつつあるとはいえ、ゴールインした二人には幸せになってほしいと思うのが人情というものだろう。

 そして、そのゴールに到達するまでには、十人十色のドラマがあるのは言うまでもない。目下、幸せに包まれているカップルにエールを送りつつ、出会いから現在までを根掘り葉掘り聞いてみる「令和の結婚事情レポート」。

 今回登場していただくのは、5月23日に入籍した、2021年東京五輪競泳女子800メートルリレーに出場した元競泳選手の増田葵さん(29)と、同じく元競泳選手で日本学生選手権背泳ぎ2冠の井野竜佳(りゅうか)さん(26)だ。

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「おじちゃんおばちゃんと変わらん、と思った」

 18年4月。日本選手権出場後のオフを経て、近畿大学の練習に参加した4年生の葵さん。1年生の新入部員もすでに加わっていた。

 葵さんが個人メドレーの練習で、不得手な平泳ぎに苦労していたある日、「めっちゃ下手くそですね」と声をかけたのが竜佳さんだ。

 同じ練習チームの後ろに並んでいたこの1年生に、彼女が「え? 何この人」と思ったのも無理はない。

「僕は全部泳げるんで、市民プールのおじちゃんおばちゃんと変わらん泳ぎやん、と思ったんです」

 と、竜佳さんは笑う。

「私が1年生の頃は4年生相手に初対面からそんなことは言えず、逆にすごいと思いました」(葵さん)

 朝練では好きな曲をイヤホンで聴いてテンションを上げていた葵さんに「何でイヤホン着けてんスか?」などやたら話しかけてきていた印象も。無論、彼には彼女への好意があった。

 その後も「近くのスタバに新作、飲みに行きましょう」などと竜佳さんはグイグイ押す。映画への誘いに、「なんで私?」と思った葵さん。彼女がSNSで“面白そう”と挙げた「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」を一緒に見に行ったが、葵さんは途中でスヤスヤ寝てしまった。

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