「日米のドクターの腕の差なのかな」 元巨人・クロマティが難病との闘いを告白 「車イス姿は見られたくないけど、希望を与えられたら」
リトルリーグ時代から
クロマティ本人にも、腰の不調には思い当たるフシがあった。
「リトルリーグでプレイしていた12歳の頃から腰は悪かったんだ。現役時代にも悪化して、手術を受けようかと考えたこともあったけど、シューズに特別なソールを入れたりして、なんとか痛みを和らげようとしていたよ」
先の伊藤院長によれば、
「打撃や投球の際には腰を使いますから、やはり若い頃から腰への負担が大きかったのではないでしょうか。一般的にアスリートは強靭な筋肉が骨を守っているため、狭窄症にはなりにくいと考えられます。ですが、年とともに筋力は衰えますし、長年の腰の酷使によって狭窄症が発症したのかもしれません」
とした上で、
「ギランバレーも狭窄症も、ともに脚が麻痺してしまう疾患で、今回のケースはダブルパンチです。ギランバレーによって下肢の筋力低下を招き、その筋力低下が狭窄症の症状を悪化させた可能性も考えられます」
「文句を言ってる場合じゃない」
彼は目下、リハビリに励む日々を送っている。
「ロボティック、つまり歩行支援ロボットを使用したり、歩行に必要な筋力トレーニングをしてるんだ。今はもう完全なまひではなくて、一部が機能しないという段階。脳から出るシグナルが途中で途絶えてしまうから、そのシグナルの道をまた作ってあげるトレーニングをしているよ」
リハビリでこたえるのは身体的苦痛ばかりではない。彼が施設へ通院して行っているリハビリは保険適用外であるため、懐へも多大なダメージを与えているのだ。
しかし、捨てる神あれば拾う神あり。有志が集い、リハビリ費用を捻出するためのクラウドファンディングを立ち上げた。最終的に約135万円ものサポートを得られたのは、彼の人徳のなせるわざだろう。
「幸い、ボクには助けてくれる人たちがいたけど、リハビリの費用は高いから、受けられない人も多いよね。それを考えると、とっても悲しい状況だと思ってしまうよ。ボクは今の状態で文句を言ってる場合じゃないよね」
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