「日米のドクターの腕の差なのかな」 元巨人・クロマティが難病との闘いを告白 「車イス姿は見られたくないけど、希望を与えられたら」

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歩行困難、排便障害も

「脊柱管とは、脳から続く脊髄神経を収めた“骨のトンネル”のこと。その脊柱管が狭くなってしまう病態が脊柱管狭窄症です」

 そう解説するのは、「名戸ヶ谷病院」整形外科顧問の川口浩医師。

「このトンネルの中を通っている脊髄や神経が圧迫されると、足に痺れや痛みが出る。症状が進めば、歩行が困難になったり、排尿・排便障害が起こることもあるのです」(同)

「あいちせぼね病院」の伊藤全哉院長が後を継ぐ。

「神経の背中側にある黄色靭帯が分厚くなったり、骨そのものが変形突出することによって、脊柱管は狭くなります。これらは加齢変化で、ご高齢の方に多く見られます。まれに40代で発症するケースもありますが、一般的には50代以降に増え始めます」

 現状では、はっきりと挙げられるような予防法はないという。

 川口医師が言う。

「治療の基本は“保存療法”で、コルセットを着用するなどして動きを抑え、安静にすることです。症状が強い場合には薬物療法や、狭窄の原因となっている靭帯や椎間板を除去する必要があります」

「日米のドクターの腕の差なのかな」

 手術を選択したクロマティの話に戻ろう。

「まずフロリダの病院で二つの胸椎の手術をしてもらったんだ。このときは術後もずっと痛みがひどくてね。まだ手術しないといけない胸椎が残っていたんだけど、別のドクターにやってもらいたいと思って探して、見つけたのが徳島大学病院の先生だったんだよ」

 クロマティ自身がコンタクトを取ったという徳島大学病院の医師は、球界にもゆかりがあった。

「元巨人の中畑(清)さんの首の手術や、ボストン・レッドソックスの吉田(正尚)選手の親指の手術をしたドクターなんだ。話はトントンと進んで、23年の春には2度目の手術を受けられたよ。大成功だったね。最初の手術みたいに術後の痛みがなくてビックリさ。とてもラクになった。日米のドクターの腕の差なのかなと思ったりしたよ」

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