「Mステ」生出演の前田敦子がアイドルオーラ健在だった理由 AKB48卒業から10年以上

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結婚、出産を経験

 8月22日放送の「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)で、前田敦子、高橋みなみ、小嶋陽菜、指原莉乃がAKB48のOGとして出演して、現役のメンバーと共にかつての大ヒット曲である「Everyday、カチューシャ」を披露した。【ラリー遠田/お笑い評論家】

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 その中でセンターを務めた前田が、圧倒的な輝きを放っていたことが話題になっている。AKB48卒業から10年以上が経ち、結婚、出産などを経験して大人の女性としての深みを増してきた今もなお、アイドルとしてのオーラが失われておらず、現役の若いメンバーに負けないほどの存在感を示していたことにSNSなどで驚きと称賛の声があがっている。彼女はなぜそのような現役時代と変わらない見事なパフォーマンスができたのか。

 まず、前田敦子の「アイドルとしての身体性」は特別である。単にルックスやスタイルの良さだけではなく、立ち姿や表情、視線の送り方といった細部に至るまで、不動のセンターとして鍛え上げられた習慣が体に染み付いている。多くの人に囲まれてスポットライトを浴びる経験を積み重ねてきたことで、彼女の動きには自然に「中央に立つ者にふさわしい説得力」が宿っている。本人が意識していなくても、視聴者の目を引きつける所作が徹底的に訓練されており、その積み重ねが今でも失われていない。

 次に、前田敦子の「物語性」が影響している。AKB48が国民的アイドルグループへと成長していく過程で、彼女は常に象徴的な位置に立ち続けた。その歩みはファンだけでなく一般視聴者の記憶にも刻まれているため、彼女が舞台に立つだけで全盛期のAKB48を想起させる。単なる1人の芸能人としてではなく、一時代を代表するアイコンとして認識されているからこそ、舞台に立つだけで空気が変わる。

 また、AKB48を卒業した後に女優に転身して、役者として経験を積んできたことも無関係ではない。彼女はAKB48の絶対的エースとして国民的な人気を得たのち、女優として新たな道を歩み始めた。アイドル時代から彼女の存在感は圧倒的だったが、その輝きを女優というフィールドに移すのは容易ではなかった。

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