「刑務所には入りたくない」「父が示談金2000万円を用意している」 12歳少女に性的暴行で「懲役8年判決」クルド人被告の告白

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「2000万円」で示談したい

 ――最初の事件の執行猶予も取り消されるため、合計だと懲役9年。一審判決で刑が確定すると、満期なら出所時は30歳過ぎになる。

「(苦笑いを浮かべ)そう。強制送還するなら今すぐして欲しいけど、すぐにはしてくれないから、控訴する」

 ――刑務所で過ごすぐらいなら、今すぐ強制送還された方がいいという意味か。

「そうです」

 ――控訴審でも、判決が一審と同程度の懲役刑かもしれない。何か考えがあるのか。

「相手側と話して、示談できるなら示談したい。2000万円準備してる。弁護士に、相手側の親に聞いてみて、と頼んでる。弁護士も、私選で2人に増やしているところ。お父さんは解体工事の会社をやっているから、そのお金で、お父さんが2000万円用意した。ここを出たいから、家族は応援して待ってくれてる」

 ――2000万円で示談が上手くいくと思うか。

「わからない」

 ――高裁で一審と同程度の量刑の判決だった場合は、上告して最高裁まで争う?

「そうします」

 ――高裁の判決がどれぐらいの刑期なら上告せず受け入れるのか。

「5年だったら、あきらめて(刑務所に)行こうかなと今は思う」

金目的

 一審の公判では、さいたま地裁の別室で、映像や音声で証言するビデオリンク方式により被害少女が証人出廷している。被害者は「レイプされました」「犯人がまだ捕まっていなかったので怖くて眠れませんでした」「長く捕まっていてほしいです」などと証言した。

 それに対してハスギュル被告は、同意の上で口淫をしてもらったが挿入はしていない、被害者が(同意の有無に関わらず、口淫も含めて不同意性交等罪が成立する)16歳未満であることは知らなかった、と主張していた。

 6月中旬に面会した際にも、2件の事件について自身の罪状を認めることはなかったハスギュル被告。そのときのやりとりは、以下の通りである。

 ――最初の事件について聞きたい。14歳の少女に性的暴行をしたとして、不同意性交等罪の容疑で逮捕された。昨年5月には県青少年健全育成条例違反罪で懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を受けている。

「(起訴・判決は)県の条例違反。レイプじゃない」

 ――今回の裁判で、検察側は一回目の事件の際にハスギュル被告は相手が14歳だとわかった上で“20歳以上だと思った”と虚偽の供述をしていたと指摘した。

「(年齢は)本当にわからなかった。前の事件では弁護士がそう言えば早く終わるという通りにしただけ。実際に執行猶予がついたからこうするしかなかったと思ってるけど、年齢は知らなかったしレイプしてない」
 
 ――逮捕時の容疑が不同意性交等罪だったのはなぜだろうか。

「わからない。(被害少女が)お金をとれると思って騙したんじゃないかと思う」

 ――金銭目的なら示談の提案など何かしらの働きかけがあるはずだが、それはあったのか。

「そういうのはない。示談しようとしたけど、“する気ありません”と言われた」

 ――ではお金目的とは言えないと思うが。

「わからないです」

 ハスギュル被告からは、この後のやりとりでも「わからない」という言葉が度々返ってきた。

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