米国マクドナルドはなぜ値下げを決断したのか 値上げラッシュの米国でなぜか「デフレリスク」浮上、株式市場も大荒れか
全世帯の6分の1が電気料金延滞か
8月22日の米株式市場でダウ工業株30種平均が8カ月ぶりに最高値を更新した。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ再開への期待が高まったことが主な要因だ。
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FRBのパウエル議長は同日、経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)での講演で「雇用の下振れリスクが高まっている」との認識を示し、9月の利下げ再開を示唆した。
だが、インフレが再び高進するリスクは残ったままだ。7月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.7%の上昇となり、上昇率が2カ月連続で前の月を上回った。
統計の数字以上に米国のインフレは激しいようだ。
米国でも暑い夏が続き、冷房が欠かせない中、電気代の高騰が問題となっている。今年の夏場(6~9月)の料金は1世帯当たり平均で前年比6%増の784ドル(約11万円)と、過去最高となる見通しだ。夏場の冷房需要に加えて、人工知能(AI)開発・運用向けの需要急増が災いした。
今年の電気代水準は、低所得層の年間所得の8.6%に達した。全米エネルギー支援協会は、電気料金延滞は米国全体の6分の1にあたる2120万世帯と推計している。
あらゆるモノがどんどん値上がり
新車の価格も天井知らずの急上昇を続けている。
新車のメーカー希望価格の平均は5万1000ドル(約753万円)を超えており、2万ドル(約295万円)以下の新車は1車種のみという有様だ。日常生活に欠かせない自動車が高嶺の花になってしまった感がある。
アメリカン・ドリームの象徴である住宅市場にも異変が生じている。
不動産仲介企業によれば、7月の住宅購入契約の解約件数が約5万8000件に達した。全売買契約の15.3%を占め、2017年の統計開始以来、7月として最も高い解約率となった。2020年初頭に比べて50%上昇した住宅価格に先行き不安が重なり、買い手が慎重になっていることの表れだ。
また、米国民の間では雇用不安が広がっている。ロイターが19日に発表した世論調査結果によると、「(AIの進歩によって)多くの人が恒久的に失業することを懸念している」と回答した米国民は71%に達した。
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