ラーメン屋では“大盛”どころか“ハーフ”を選ぶように…若者には分からない「50歳を超えて驚いたこと」 まさか同世代に孫ができる日が来るとは

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 はてな匿名ダイアリーに「大人になって驚いたこと」が登場。投稿者は「転んだときの心身へのダメージが子供時代の5倍くらいあること」と書き、これを受けて多数のコメントが書かれた。身体的衰えだけでなく、「大人は思ったより大人ではない むしろ大人のほうが少ない」というものもあった。【中川淳一郎/ネットニュース編集者】

波平はまだ54歳

 筆者が大人になって驚いたことは「会社で『スーダラサラリーマン』がいる」ことだった。何しろ、それまで見ていたサラリーマンもののドラマの登場人物や、就職活動で出会った人々は仕事に邁進し、様々な課題を解決する優秀なイメージの人ばかりだったからだ。

 会議に遅刻をするのはザラだし、メールの文面をコピペして何人にも送るものだから宛名を間違えたりするのもしょっちゅう。得意先での月例打ち合わせで、開始時刻になっても先輩が来ないので電話したら「ゴメン、今起きた……。任せた」と言われることも3回に1回あった。さらには「外での会議は16時からにしろ」という別の先輩の助言を聞いてぶっ飛んだ。

「16時より前に設定すると、会社に戻らなくてはいけなくなるんだよ。会議って大抵1時間だろ? ウチの会社は定時が17:30だから、17:25ぐらいに飲み屋から『会議やっと終わりました。直帰します』と言えばいいんだ」

 こうした経験を経て、これも人間、と今ではスーダラサラリーマンや「働かないおじさん」に驚かなくなったが、50歳を越えるとまたまた様々なことに驚くようになる。主に肉体関連のものだ。私は現在52歳、驚いたことを10個挙げる。

 【1】磯野波平的威厳がない
『サザエさん』一家の家長・波兵はいつも浴衣を着て、食卓では上座的場所に座っている。カツオに「バッカモーン」と雷を落とす迫力を持ち、いかにも昭和のカミナリオヤジといった威厳を持っている。そんな波平はまだ54歳。こちとら夏は短パンTシャツで、知り合いの小学生の息子・娘からはクワガタを飼育しているということで、「クワガタおじちゃん」と呼ばれ、タメ口で「ねぇねぇ、見せて~」と言われている。

 別の女の子からは「クイズを出して~」と言われ、自動車内の30分、延々クイズ大会をするか、「ドラえもんの道具で一番欲しいもの」を議論したりする。完全に彼らから同格扱いされているのだ。

20メートル全力走で悶絶

 【2】骨が折れやすくなった

 50歳の時、居酒屋で転び左手を畳の床につけたら左上腕が見事にポッキリと折れた。人生初の骨折である。腕をついたわけだから、高さはたかだか1メートルほどであろう。骨の密度が低下しているのに加え、筋肉量も減っているため容易に骨折したものと思われる。入院すると、同室に骨折している患者が5人いたが、一人が50代で、4人が60代以降だった。今後ますます骨は弱くなるので、もう転ばないよう心掛けるしかない。

 【3】20メートル走ったら息が上がる

 30代まで、信号が点滅したら横断歩道をダッシュしたが、40代以降は諦めるようになった。しかし、どうしても急いでいる時はダッシュするのだが、スピードが遅い上、20メートルの距離でもう悶絶してしまう。20代の頃は登山のトレーニングとして7km走るのもラクだったのに、もはや別人かのようである。

 【4】1メートルの高さを飛び降りることができない

 かつて、2メートルぐらいの壁やフェンスからであれば地面に飛び降りることができたが、今は1メートルですら無理。そこを飛び降りるぐらいだったら、回り道をして、平らな道から目的地へと向かう。前述の骨折が恐ろしいというのもあるし、着地の瞬間の捻挫も懸念されるため。

 【5】大盛りは食べられないどころか、「小さめ」「ハーフ」を注文する

 かつて家系ラーメンでは、普通盛りにライスをつけていたし、博多系のラーメンでは替え玉もやっていた。大盛りはあまりしないが、食べろと言われたら食べられた。だが、今や家系では券売機の「ミニ」「麺半分」を選択するようになってしまっている。素麺も以前は3束(150グラム)を食べていたが、今は1.5束(75グラム)だ。パスタも110グラムだったが、今や52グラムを量ってそれしか食べられない。ご飯は1合炊けば3食分である。だから、「食べ放題」はもってのほかである。

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