「国宝」100億円大ヒットで「吉沢亮」が所属事務所の看板俳優に…長い下積みを乗り越えた「国宝」級イケメンの軌跡

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100億超は22年ぶり

 6月6日に公開され大ヒット公開中の俳優の吉沢亮(31)の主演映画「国宝」(李相日監督)。今月21日までの公開77日間で興行収入110.1億円を突破したことを今月22日、配給元の東宝が発表した。

 邦画実写における歴代の興行収入ランキングでは、「南極物語」(1983年、110.0億円)を抜き去り、「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(2003年、173.5億円)、に次ぐ第2位の成績となった。興収100億突破は「踊る」以来、実に22年ぶりの快挙だ。

 同作品は黒衣として3年間、歌舞伎の世界を見つめ続け、その体験をもとに執筆した作家・吉田修一氏の同名小説を実写映画化。任侠の一門に生まれながら、歌舞伎役者の家に引き取られた主人公・喜久雄(吉沢)が、芸の道に人生を捧げ、やがて「国宝」と称される存在になるまでの壮大な一代記が描かれている。

「『踊る』は、織田裕二主演でフジテレビの人気ドラマシリーズ劇場版第2作。フジを中心に万全な宣伝やPR活動を重ねた結果、邦画実写歴代ナンバー1を記録しました。一方の『国宝』は3時間近い上映時間、テレビ局の出資なし、公開後もメディアでのPRがほとんどありませんでしたが、ネット上での口コミを中心にここまで数字を伸ばした。市川團十郎白猿(47)、松本幸四郎(52)、人間国宝の片岡仁左衛門(81)を父に持つ片岡孝太郎(57)ら、歌舞伎界の大物たちもSNSや公の場で作品を絶賛。本職の歌舞伎俳優たちをも魅了し、多くの観客が足を運ぶことになったのも、主演の吉沢の俳優人生をかけたと言ってもいい役作りと熱演のたまものでしょう」(映画業界関係者)

 吉沢は17日放送のTBS系トークバラエティー番組「日曜日の初耳学」に出演。その際、李監督が吉沢を選んだ理由を明かすVTRが放送された。

 李監督は脚本も完成していない段階で、しかも直感で吉沢が喜久雄役に思い浮かんでいたことを明かした。そのうえで、「喜久雄って役に関しては、彼しかできる人がいない。正体不明というか。中の空洞が広い。小さくたたいたら小さく響くし、大きくたたいたら大きく響くような、空洞感。終わりが見えない、底が見えないような感じがしますよね」と熱く語った。

 そんな李監督の見立てが見事にハマり、結果、大ヒットどころかメガヒット作となったが、吉沢は芸能界入りした当初、“期待のホープ”と呼べるような立ち位置ではなかった。

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