「国宝」100億円大ヒットで「吉沢亮」が所属事務所の看板俳優に…長い下積みを乗り越えた「国宝」級イケメンの軌跡

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座長としての苦労

 もともと吉沢は2009年、母が応募した所属事務所「アミューズ」が主催するオーディション「アミューズ全国オーディション2009 THE PUSH!マン」で3万1000人を超える応募者名の中から「Right-on賞」を受賞して芸能界入り。翌年、舞台で俳優デビューを果たした。

「同じオーディションでグランプリを受賞したのは野村周平さん(31)。後に有村架純さん(32)主演の『映画 ビリギャル』(15年)や、広瀬すずさん(27)主演の『ちはやふる』シリーズで存在感のある演技をみせ注目されます。野村さんは芸能界入り前、数々のスノーボードの大会で活躍し、五輪も狙えるレベルだったのだとか。なので、カメラの前に立っても緊張することもなく、撮影中も異常なまでにリラックス。大物の予感を漂わせていました」(大手映画会社の宣伝担当者)

 一方の吉沢は11年、今や人気俳優への登竜門となっているテレビ朝日系「仮面ライダー」シリーズの「仮面ライダーフォーゼ」に出演するも脇役。主人公を演じたのは福士蒼汰(32)だった。

 13年に放送されたTBS系の深夜ドラマ「ぶっせん」でドラマ初主演。同作は同年、舞台としても上演されたが、実は、この主演舞台で吉沢は大きな挫折を味わったという。

「後のインタビューで振り返っていましたが、座長としてほかの役者をまとめることができず、客席も空席が目立っていたのだとか。それが悔しかったそうで、『次に舞台をやるときは、絶対にこの空席を埋めてやるんだ、と思いました』『このころから、役者として生きるっていう意識が芽生えました』と熱弁していました」(映画担当記者)

 同期の野村は俳優デビュー作となったMBSの「新撰組 PEACE MAKER」にいきなりレギュラー出演。NHKの大河ドラマ「平清盛」(12年)、朝の連続テレビ小説(朝ドラ)「梅ちゃん先生」(同)、米倉涼子(50)主演の日本テレビ系「35歳の高校生」(13年)、フジテレビ系の月9ドラマ「恋仲」(15年)など、話題のドラマに続々と出演する。映画では「クジラのいた夏」、「日々ロック」(いずれも14年)、「ライチ☆光クラブ」、「森山中教習所」(いずれも16年)、前後編で公開の「サクラダリセット」(17年)と主演作が続き、巷ではイケメン俳優としてもてはやされ始めた。

「野村さんが活躍し始めたころのアミューズの俳優陣ですが、福山雅治さん(56)はキャリアも実績も違うのでもはやレジェンド。その下……と言っても福山さんと年齢の近い大泉洋さん(52)も売れっ子の仲間入りを果たしていました。さらにその下までいくと年齢差があり、小出恵介(41)さん、佐藤健さん(36)、賀来賢人さん(36)、神木隆之介さん(32)、20年に亡くなった三浦春馬さんらが活躍していました。この時点で、吉沢さんが他の事務所も含めて同年代の俳優の中で飛び抜けた存在になり、なおかつ事務所の“看板”と呼ばれるようになるとは、まったく想像もできませんでした」(テレビ局関係者)

 しかし、すでに売れっ子となっていた野村に対し、吉沢は小学校から高校まで9年続けた剣道で培った忍耐力や体幹の強さ、そして数多くの作品こなすことで着々と評価を高めていった。

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