「森川ジョージ先生はツンデレぶりが凄いですね(笑)」 がん闘病中の「BOYS BE…」作者が語った“漫画家としての使命”

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森川ジョージ先生は“ツンデレ”が凄い

――玉越先生は闘病生活のなかで、友人、知人の漫画家さんに積極的に会っていますね。

玉越:他の漫画家さんとの交流は楽しいし、勇気づけられることが本当に多いですね。「少年マガジン」で一緒に連載した「はじめの一歩」の森川ジョージ先生は、Xでは冷たい感じですが(笑)、LINEではいつも「大丈夫か」と心配してくれる。とても優しいし、ツンデレぶりが凄いですね(笑)。

 森川先生は僕のことを気遣って、いろいろ誘ってくれるんですよ。山田玲司先生のYouTubeの番組に出ようと言ってくれて、さらに山田先生もガンプラの会をつくってくれました。渡邊ダイスケ先生や麻宮騎亜先生も仲良くしてくれますし、漫画やアニメの業界の方々の声が励みになりますね。

 こんなに幸せでいいんだろうかと思うくらい、がんになって、同業者のみなさんの優しさが心にしみますね。

――がんで闘病している方に対してコメントをお願いできますか。

玉越:正直言って、僕はまだ恵まれていると思います。治療法もありますし、手術をして、寛解する可能性があると言われている。だから、希望を持てるのです。僕よりもはるかに苦しんでいる人もいるはず。そんな方には、とにかく、今を生きるためには自分が好きなことをして、苦しみを忘れてほしいなと思います。

 がんは手術も嫌だし、余命を宣告されても嫌だし、Xデーが決まってもしんどい。だからこそ逆に、落ち込んで過ごすのはもったいないと思うのです。明るく好きなことをして、Xデーを迎える方がいいのではないでしょうか。僕の望みは、2本の連載をしっかり完結までもっていきたい。それが漫画家としての、僕の使命だと思っています。

 第1回【90年代に男子中高生を熱狂させた「少年マガジン」のレジェンド漫画家が明かす“がん闘病”…「死そのものよりも怖い」と感じるものとは】では、人気漫画家の玉越博幸先生が、がんを告知されたときの心境、そこからどう漫画に向きあったのかなどについて語っている。

デイリー新潮編集部

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