「先輩からシバかれてしんどいか知らんけど…」 退任発表の広陵・中井監督の素顔 「ケツバットもあった」 OBが明かす

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【全2回(前編/後編)の前編】

 夏の甲子園で初戦を勝ち抜きながら、出場辞退を余儀なくされた広島代表の広陵高校。前代未聞の事態を引き起こしたのは、SNSで立て続けに拡散してしまった「知られざる不祥事」だった。21日、広陵高校は中井哲之監督(63)が退任することを発表したが、屈指の強豪校で、長きにわたって“君臨”した指揮官の光と影に迫る――。

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 広陵は春夏通算で甲子園出場53回、全国制覇3回(いずれも春)の言わずと知れた名門。が、コロナ禍でのチーム感染によるケースを除き、大会期間中の出場辞退は春夏通じて初めて。高校野球史上に残る不祥事となってしまった。

「SNS上で拡散されていた1月の暴力事案について一部で報じられたのを受け、大会が開幕した8月5日、日本高野連は“3月に厳重注意した”と発表。広陵側も6日、その内容を公表しながら“新しい事実が発覚したわけではない”としていました。ところが、1回戦で旭川志峯に勝利した7日、ネットでは2年前に起きていた別の事案が拡散されてしまう。こちらは当時部員だったという生徒が、自らの被害を実名で告発していたのです」(スポーツ紙デスク)

 試合終了後、広陵はその「別事案」について確認できなかったとしつつ、第三者委員会を設置して調査中であると説明した。そして、

「これらの事態を受けて10日、広陵の堀正和校長が会見し、大会本部に出場辞退を申し入れて了承されたと発表しました」(同)

「“恫喝”されたとの記述が」

 そもそも一連の騒動の発端は、今年1月に野球部の寮で暴力を受けた元生徒の保護者が、7月下旬になってSNS上でその経緯を投稿したことだった。

「そこでは、寮で禁止されているカップ麺を食べたことを複数の先輩からとがめられ、息子が激しい暴力を受けたとつづられています。息子はいったん寮から自宅へと逃げ、“10人以上の上級生に囲まれて『死ぬほど』殴られ蹴られた”と保護者に明かしたという。後日、保護者に連れられて寮に戻るのですが、そこで面談した中井監督から『うそはつくなよ』『(高野連に報告して)2年生の対外試合なくなってもいいんか』などと“恫喝”(どうかつ)されたとも記されています」(前出のデスク)

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