「田久保市長なら解散を選ぶ」 伊東市議が恐れる“泥沼シナリオ” 「選挙で数千万円の公費が」

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 一向に辞める気配のない静岡県伊東市の田久保真紀市長(55)に対し、ついに議会が“実力行使”に出る構えだ。ところが、辞職を迫る波状攻撃の先に待つのは、さらなる混沌だという。

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辞職を求めるデモ

「一連の騒動は、私が就任後に入札を停止した新図書館建設を復活させるために起きていた疑いが濃くなりました。いま私が退くと、いろんなことが元に戻ってしまうかもしれない。ここが踏ん張り時だと思っています」

 力強い口調でこう話すのは田久保氏その人である。

 8月16日、自身のXで〈騒動の全容がやっと見えてきました〉と投稿した彼女は、その真意についてこう明かしただけでなく、

「(騒動の長期化に)お腹いっぱいという部分もあるかもしれませんが、(伊東市民からは)“しっかりやれ”という声も多い。そのお約束は果たしていきたいと考えています」(同)

 と、身を退く意思のないことを改めて表明した。

 その言葉に反し、地元では辞職を求める圧力が日々強まっていると話すのは地元紙記者だ。

「田久保氏が百条委員会に出頭した今月13日の前日には、市民らが辞職を求めてデモと街頭での署名活動を展開しました。これまでの取材では、多くの市民が“不毛な騒動にはもうウンザリ”といった感想を漏らしています」

「卒業と勘違いする余地はないに等しい」

 東洋大学除籍にもかかわらず、「卒業」と偽った学歴詐称問題が発覚したのは今年6月。翌月に公選法違反(虚偽事項公表)の疑いで彼女を刑事告発した、地元建設会社社長の山口喜廣氏が言う。

「告発状は7月28日に受理され、8月7日には私と市幹部職員二人が別々に事情聴取を受けました。お盆明けに捜査は加速するとみています」

 田久保氏が除籍の事実を知ったのは、5月の市長当選後だったと一貫して述べている。彼女の在籍時に同大教務課に勤めていた人物によると、

「私は当時、彼女が卒業したと話していた法学部と社会学部の学籍に関する事務を担当していました。除籍の場合、必ず本人だけでなく、保護者(親)にも電話などで事前に連絡します。だから卒業と勘違いする余地はないに等しい。ちなみに除籍理由の大半を占めていたのは授業料の未納でした」

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