「生活のため」と割り切って練習した歌がヒットして… 上條恒彦さんが抱えていた“複雑な思い”【追悼】

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 物故者を取り上げてその生涯を振り返るコラム「墓碑銘」は、開始から半世紀となる週刊新潮の超長期連載。今回は7月22日に亡くなった上條恒彦さんを取り上げる。

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 1971年、上條恒彦さんがフォークグループ「六文銭」と組んで歌った「出発(たびだち)の歌」は、第2回世界歌謡祭でグランプリを獲得、今も名曲と名高い。語りかけ励ますような上條さんの豊かな歌声は心に響いた。だが、もともと歌手を志していたわけではなかった。

 40年、長野県朝日村生まれ。...

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