場内騒然「一体何があったんだ?」 ヒーローインタビューで起きた珍事件  アナウンサーが行方不明…「なりすまし」や「暴言」も

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 8月3日の広島対中日で、9回表の中日攻撃中に音響トラブルにより、試合が中断するアクシデントが発生。試合後もトラブルが解消されないため、予定されていた広島2選手のヒーローインタビューもまさかの中止に。スタンドのファンのため息とブーイングがこだまする珍事となった。そして、過去にもヒーローインタビューで思わずビックリの珍ハプニングが何度か起きていた。【久保田龍雄/ライター】

え~っと、大竹です

 前代未聞の“セルフインタビュー”を演じたのが巨人FA移籍1年目の大竹寛だ。

 2014年7月27日の中日戦、7回を3安打1失点に抑え、7勝目を挙げた大竹は、中日との同一カード3連敗を阻止したヒーローとして、お立ち台に上がることになった。

 ところが、待てど暮らせどインタビュアーのアナウンサーが現れず、刻々と時間だけが経過していく。

 実は、地元CBCテレビ・宮部和裕アナウンサーがヒーローインタビューの担当であることをうっかり忘れ、中日側の取材に行ってしまったのが原因だった。

「間が持たないから、何か喋ってくださいよ」と業を煮やした女性アシスタントから強引にマイクを手渡された大竹は、困惑しつつも「感謝の気持ちを伝えよう」と、テレビカメラの前で「え~っと、大竹です」とファンに挨拶。まさかのインタビュアー不在のセルフインタビューに、スタンドは爆笑の渦に包まれ、ネット上でも「なんやねんこれ」「なんや今の放送事故は」などの声が挙がった。

 直後、ようやく宮部アナウンサーが登場し、大竹の手からマイクを奪い取ると、「お待たせしました。見事なピッチングでした」と遅ればせながら、ヒーローインタビューを開始した。

 大竹が「ハプニングでしょ。来ないかと思いました」と皮肉りながらツッコミを入れると、宮部アナウンサーは「失礼いたしました!」と平身低頭で謝罪。大竹も「参ったなあ」とばかりに大笑いしていた。

言いたかったことはまったく同じでした

 勝利のヒーローが不在にもかかわらず、代役がなりすましインタビューを披露する珍場面が見られたのが、2016年6月2日の交流戦、西武対DeNAだ。

 この日のヒーローは、毎回の11奪三振を記録し、4安打1失点完投勝ちした高卒2年目の19歳、西武・高橋光成だった。10代の投手の毎回奪三振は、2006年の日本ハム・ダルビッシュ有以来10年ぶり、球団では1999年の松坂大輔以来17年ぶりの快挙でもあった。

 だが、好事魔多し。9回に最後の打者・筒香嘉智の投ゴロを左足に当てるアクシデントに見舞われ、アイシング治療中だったことから、なんと、試合にも出場していない6年目の外野手・熊代聖人が急きょ代役を務めることになった。

 すっかり高橋本人になり切った熊代は「そうですね。完封したかったですけどね。最後(9回)、ちょっと点を取られてしまって悔しかったですけど、久々にこういう声援を聞けてうれしいです。(お立ち台は)やっぱり何回立っても気持ちいいですね。(DeNAと1勝1敗で)勝ち越しが任された日だったので、その日にピッチングができて、本当にうれしく思います。最後、(打球直撃の)アクシデントがあったんですけど、何とか皆様の前に立ちたいなと思って、今我慢してます」と代理コメント。スタンドのファンを爆笑させた。

 あまりにも堂に入ったなりすましインタビューに、完全にお株を奪われた高橋も「熊代さんにいいヒーローインタビューをしていただいた。言いたかったことはまったく同じでした」と脱帽するばかりだった。

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