場内騒然「一体何があったんだ?」 ヒーローインタビューで起きた珍事件  アナウンサーが行方不明…「なりすまし」や「暴言」も

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入ってねえんだよ、この野郎

 ヒーローインタビューの際に突然ぶち切れ、声を荒げてしまったのが、阪神・赤星憲広だ。

 2008年5月24日のソフトバンク戦、1点を追う9回2死満塁のチャンスに見事左前に逆転2点タイムリーを放った赤星は、勝利のヒーローとしてお立ち台に呼ばれた。

 だが、敵地・福岡ヤフードームでの試合だったため、テレビ中継用のインタビューとなり、音声が場内に放映されなかったことが、感情の行き違いを呼ぶ。

 すぐ近くのスタンドにいたファンは、赤星の談話が聞き取れない苛立ちから「声が小せえぞ!」「もっと聞こえる声で喋らんかい」などの野次を飛ばす。

 その声が赤星にも聞こえ、「僕も興奮しました」とコメントしながらも、どこか上の空。

 そして、「打った球については、どんな読み、どんな狙いがあったんですか?」というアナウンサーの問いに、「とにかく、ツーアウト満塁だったんで……」と答えたところで、しつこい野次に我慢も限界に達し、突然スタンドのほうに向き直ると、「(音声が)入ってねえんだよ、この野郎!」と暴言を吐いた。

 当然このシーンはそのまま放映され、テレビを見ていた人は「ふだん温厚な赤星がなぜ?」と口アングリになった。

 その後、ネット上でも拡散される事態となり、翌日の試合前、赤星はテレビ関係者に謝罪する羽目になった。

非難の的に

 スタンドの野次といえば、2022年7月27日に愛媛県松山市で行われたオールスター第2戦でも、MVPのソフトバンク・柳田悠岐のインタビュー中、一塁側最前列に陣取った男性ファンが「(本塁打を)狙っとったでしょお!」と大声を上げるシーンが問題になった。

 柳田が「はい、狙ってました」と“神対応”を見せると、男性は調子に乗って再び「狙っとったでしょお!」と声を張り上げ、「ギータ!ギータ!ギータ!」とインタビューを邪魔するかのように叫びつづけた。

 ネット上では「もしかしたら1回答えたら収まると思ったのかもしれんが完全な逆効果だったな……」「ヤジは明らかなルール違反なんだから徹底的に無視するべきだった」などの声が相次ぎ、コロナ禍でマナー違反とされている大声を張り上げての迷惑行為ともども非難の的になった。

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新著作は『死闘!激突!東都大学野球』(ビジネス社)。

デイリー新潮編集部

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