“熱パ”の明暗を分ける「小久保・新庄」両監督の采配力 直接対決3連敗を招いた日ハム“ガラポン打線”の是非は?
今季のプロ野球ペナント争いはセ・リーグとパ・リーグで対照的。セ・リーグは阪神にマジックが点灯し、いつどこで優勝を決めるかが焦点となっている。対するパ・リーグは、日本ハム、ソフトバンク、オリックスの三つ巴からオリックスが脱落。日本ハムとソフトバンクによる一騎打ちの様相を呈している。
2強ムードの覇権争いだが、勢いはソフトバンクが上。7月13日以降の成績はなんと22勝4敗1分で、勝率は驚異の.846を誇る。ただし、日本ハムも同期間に17勝10敗(勝率.630)と貯金を7個つくっている。猛スピードで舞い上がる鷹の翼に何とかしがみついている状態だ。
シーズン終盤まで両者の争いは続くのか、それともどちらかが抜け出すのか。残り1か月半となったパ・リーグのペナントの行方を両軍の指揮官にスポットを当てて占ってみたい。
【八木遊/スポーツライター】
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ソフトバンクが3ゲーム差で首位
18日現在、リーグ首位に立っているのはソフトバンクの方だ。冒頭で述べた通り、オールスター前の7月中旬から驚異的なペースで白星を重ね、7月下旬には日本ハムから首位の座を奪還。今月9~11日の首位決戦で3連勝を飾り、日本ハムを突き放しにかかっている。
一方の日本ハムは、首位攻防3連戦をスイープされ、そのままズルズルと負けが込んでいってもおかしくなかった。しかし、その後はロッテに2連勝、楽天に2勝1敗と勝ち越すと、19日のオリックス戦で劇的サヨナラ勝ち。同期間4勝2敗のソフトバンクとのゲーム差を逆に1縮めている。
それでも両者の地力や経験値の高さを比べても、3ゲーム差を保っているソフトバンクが有利な状況に変わりはないだろう。若手主体の日本ハムに逆転の目はあるのか。
やや不利な状況に陥った日本ハムが再び首位の座をうかがうには、新庄剛志監督の采配がポイントとなる。時に奇想天外な作戦を用いて、いい意味でも悪い意味でも注目されてきたのが“新庄劇場”だ。
松本剛のバースデー4番起用の結果は……
そんな新庄監督の采配に批判が殺到したのが、今月11日のソフトバンク戦。天王山で2連敗を喫し、一矢報いたい日本ハムが、3タテを食らった第3ラウンドである。
それまでの直近3試合で1得点と湿りっぱなしのハム打線に活を入れるべく、新庄監督は4番に松本剛を起用した。松本剛は3年前に首位打者に輝いた好打者ではあるが、今季は試合前の時点で打率.203、0本塁打、7打点。2冠を独走するレイエスを5番に下げてまで4番に起用するにはそぐわない数字が並んでいた。
打撃不振に悩む元首位打者の抜擢理由について、新庄監督は「バースデー松本君は期待しましたけど」とコメントしたように、その日は松本の32歳の誕生日。松本は9回に内野安打で何とか出塁したものの、起爆剤とはならず。結果的に新庄監督のサプライズ起用は失敗に終わった。
これにはラインアップが発表された時点からSNSなどで批判の声が目立った。後がない首位攻防第3戦での“バースデー起用”に不快感を示したファンがいても不思議ではないだろう。
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