「ポケモン」コラボで大混乱の「マクドナルド」がまたもや謝罪…「ハッピーセット」を混乱することなく売る方法を考えてみた

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転売防止策に効果はあったか

 マクドナルドも、決して今回の騒動を予測していなかったわけではないようだ。注文は1人5個まで、と販売数を制限するルールも告知していた(15日から始まった第2弾では3個まで)。しかし、SNSを見ていると、明らかにそれ以上の個数を注文した人も目につくことから、いくらでもルール違反を犯せる状況にあったようである。

 また、大手フリマサイトのメルカリなどと協力し、「両社で情報共有を行い、発売前後の注意喚起や権利侵害品対策などの取り組み」を実施すると発表していた。しかし、あくまでも、「日本マクドナルドからの情報提供に基づく特定の新商品に関する注意喚起」のほか、「悪質な詐欺行為等、利用規約等に抵触する可能性のある出品の削除」や「権利者の許諾なくWEBサイト等から商品画像を転載する出品(著作権侵害)の削除」を行ったに過ぎなかった。

 それは、多くの人々が求める規制とは程遠いものであり、実際にメルカリには当日からカードや玩具が多数出品されていた。転売ヤー対策としては、不十分と言わざるを得ない。そのうえ、仮にメルカリが転売を規制したところで、他にもフリマサイトはあるのだ。転売ヤーが他に流れるだけであり、抜本的解決にならないのは明白であろう。

転売ヤーの影響は大きいのか

 マクドナルドは謝罪文のなかで、「一部のお客様による転売を目的とした大量購入や、それに伴う店頭ならびに店舗周辺での混雑・混乱の発生、またご注文いただいた食品の放置・廃棄といった事象が発生したことを確認しております」と、転売ヤーが混雑や食品廃棄をもたらしたかのようにつづっている。

 もちろん、そうした側面はあったと思うが、実際は転売ヤーが全体に与えた影響など微々たるもので、ほとんどの客は“普通の人”だったはずだ。筆者が近所の店で当日に並んでいる人や、店内にいる人を見てみると、転売ヤーはほとんどいない印象だった。5月のちいかわコラボの時も同様で、家族連れなどの普通のお客さんが多かった。

 筆者は、転売や混乱を生み出した要因は、ランダムにカードが出るシステムだったと考える。カードはコレクターのみならず、子供でも全種類欲しいと思うのは当然であろう。そのうえ、今回のカードは1パックあたり2枚セットであり、ピカチュウ1枚と、5種のカードのなかから1枚がランダムで封入される仕様だった。

 つまり、全種類そろえるには、ハッピーセットを最低でも5個購入する必要があるのだ。運が良ければ5個買っただけで全種類がそろうこともあるが、ランダムなので、そろわないこともあり得る。こういった射幸心を煽る仕様であることが、そもそも問題なのではないだろうか。

 それに、純粋なファンであっても、「カードがダブって同じものは2枚もいらない」とか、「目当てのカードではないものは不要」などの理由でフリマサイトに出品した人もいるはずだ。そう考えると、ランダム封入というシステム自体が、転売行為を生みやすいことがわかるだろう。

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