また巨人が負け越した阪神3連戦 思わず「おかしい」と声を上げた増田大輝へのバント指示…阿部監督よ、選手にプレッシャーをかけてどうする【柴田勲のコラム】
第1戦は最高の勝ち方だった
巨人が15日からの阪神3連戦(東京ドーム)を1勝2敗と負け越した。
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今季の対戦成績は6勝15敗。本拠地での9敗目は1952年のフランチャイズ制以降、球団史上ワーストだという。これで首位・阪神とのゲーム差は今季最大タイの13、3位のDeNAには0.5ゲーム差に迫られた。尻に火がついてきた。
阪神の優勝はもはや確定的だ。巨人が2位で3位のチームを蹴落としてクライマックス・シリーズでの阪神に対する挑戦権を得る。
この前提に立った場合、今回の3連戦は阪神に「巨人はやはり手強いチームだな」と思い知らせる戦いをしなければならなかった。
主砲の岡本和真が約3カ月ぶりに復帰してきた。投手陣も先発の顔ぶれがそろっているし、救援陣だってライデル・マルティネスを軸に充実している。長嶋(茂雄)さんの追悼試合も組まれていた。絶好のチャンスだった。
15日の第1戦はリーグでトップの防御率を誇る山崎伊織が4点を先制されたが、坂本勇人が6回に代打3ラン、2点を追った7回は代打の中山礼都が同点の2ラン、8回はトレイ・キャベッジの犠飛で試合を決めた。
最近の巨人にはない最高の勝ち方だったし、こんな戦いもできることを見せた。
これはおかしいと声を上げた3戦目
乗っていける勝利だったが、翌16日、追悼試合で先発した阪神の村上頌樹が圧巻の投球を見せた。巨人打線は2安打で二塁を踏めなかった。長嶋さんの追悼試合だっただけに勝ってほしかったがここは村上が良過ぎた。
問題は第3戦目だ。これはおかしいと声を上げてしまった。
巨人が1対3の劣勢で2点を追った9回に阪神の抑えの切り札、岩崎優から大城卓三、中山の連続安打で無死一、二塁(代走に二塁・佐々木俊輔、一塁・門脇誠)とした。
イケイケ、押せ押せの最高の場面だ。ドームのムードは最高潮に達していた。中山のネクストで坂本が準備をしていた。
阿部慎之助監督は坂本を打席に送るのだろうと見ていた。ところが登場したのは増田大輝だった。バントだ。ドームのムードも一瞬にしてしぼんでしまった。ここでバントはない。試合の流れは巨人に大きく傾いていた。
その流れを止めて、逆に阪神に渡す結果となった。阪神ベンチはもちろん、藤川球児監督も無死一、二塁となったところで嫌な雰囲気を感じていただろうし、それはマウンドの岩崎も同じだったと思う。
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