伊東市議会で田久保市長の不信任決議案への賛否を“たった一人”保留している共産党市議に「市長をまだ信じているのか」直撃した

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辞職撤回については「理解できる」

――“市長は嘘つき”という声が大きいのは、卒業しているしていない以前に、市長を辞めると言ったのに撤回したりと、これまで言動不一致があったからではないのでしょうか。

「最初は本人も本気で辞めるつもりでいたのです。家族からも辞めるべきだと言われていた。でも、周りの支持者から市長でないとできないことがあるので続けてほしいと言われるうちに考えが変わっていったのでしょう。彼女が辞めるべきかどうかについては、私も考えが揺れます。なぜなら、ちゃんと選挙で選ばれた身であるからです。

 こうなった以上、もう一度信を問うべきだと思いますが、あのタイミングでグレーのままやめなかった姿勢については理解したいと思っています」

――なぜですか。

「そもそも前市長の時代、この町の経済の発展の仕方に不満を持っている人たちが、商店街が閑散としているとか、観光資源がいっぱいあるのにもっと活発化してほしいとか、あるいは、色々なしがらみがあって不公平があるんじゃないかと感じて、田久保さんに投票したわけです。私自身も、党としては自主投票でしたが、市政の刷新が必要という思いから彼女に託そうと応援しました。

 今回の一連の動きは、反市長派が市長の学歴問題にかこつけて、市長がやろうとしている改革を潰そうとしているようにも見えなくもありません。辞職勧告決議案の討論で、ある議員は、これで百何億の補助金がパーになったがどう責任を取るんだ、ということも述べていました。図書館建設をストップさせたことによって市に大きな損害を与えた、と。学歴というより市長が掲げてきた公約への不満が根底にあるのでしょう。

 差出人不明の真偽不明な怪文書をそのまま信じ込んで、マスコミに流す議員もいました。公職選挙法違反で刑事告発したのも、前市長の後援会長だった建設業者です。正式に選挙で選ばれた市長が失政をしたわけでもないのに、就任からわずか1、2カ月で辞任に追い込まれていく状況に異常さを感じています」

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