2時間超え『鬼滅』『国宝』で気になるトイレ問題 夏イベントの「尿意コントロール術」を医師が伝授
“ギューッと締めておしっこ我慢”50回
頻尿や尿漏れなどの尿トラブルをセルフで改善するには、男女とも骨盤底筋トレーニングが有効、と高橋先生。
「骨盤底筋体操は診療ガイドラインで推奨グレードAに認められているセルフケア。背筋を伸ばして、尿道と肛門を、女性の場合は膣を下からすくい上げるような感覚で、3~5秒間、ギューッと締めて、その後緩めます」
寝ていても立っていても座っている時でもOK。何より大事なことは1日に行う回数だという。
「きちんとしたエビデンスのある論文を数々読みましたが、1日に45~50回以上行うと効果が出て、それより少ないと効果が出にくいことがわかりました。日常的な骨盤底筋トレーニングで締める力を鍛えると、尿意がきたときにギューッと尿道を締めることで、その反射で膀胱がゆるみ、尿意を和らげることができます。その間にトイレに行けばいいので漏らさないようになって、次第にトイレに行く時間も先送りできるようになります」
尿をなるべく我慢して、排尿の間隔を徐々に伸ばすことを“膀胱訓練”といい、骨盤底筋体操と2本立てで行うことが推奨されている。習慣化することで、7割の人の症状が改善しているそう。
一般的に、頻尿は春夏よりも気温が下がる秋冬のほうが症状が強くなるという。夏は汗として身体から水分が蒸発することも大きい。ただ、冷房による身体の冷えは尿意を招くので気をつけたい。
「寒い時、身体はブルッと震えますが、トイレで排尿する時もブルッと震えますよね。これは冷たさを感じる皮膚の受容体と尿意を感じる受容体が似ていることが関係しているんです。腰回りが寒いと感じると尿意の受容体が誤作動して、尿意を催すんです。そのため、冷房のきいた場所ではお腹周りや腰回りを冷やさないように温めてあげることが効果的です」
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