借金1・7億円を抱えて“写真集”発売、重病、そして「くも膜下出血」で闘病12年…女優・佳那晃子の波乱万丈すぎる人生 夫・源高志さんが語る

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ネフローゼに襲われ…

 負債をゼロにした夫婦は、伊豆半島の伊東市に引っ越す。

「かみさんは、海が好きなんです。釣りもやりますし、シュノーケリングもする。釣りなんか一日中、飽きずに港で釣り糸を垂れているくらい。で、ゴタゴタが終わったんで、これからはゆっくりと海の近くで暮らそうと」

 ようやく訪れたかに見える平穏な生活。しかし、運命はまだ佳那に試練を与えた。2006年に、ネフローゼの症状が出てきたのだ。

「老廃物がたまって身体が膨れ上がってしまいました。入院が6~7カ月続き、その後もステロイド治療を続け、ようやく寛解したのが2012年頃です」

 2人は熱海に新居を購入。が、それから1年も経たずに、今度は【前編】で詳述したように、くも膜下出血で倒れる。以後、現在に亘るまで入院生活を強いられることになるのである。

海が好きだから

 12年半の間、看病のために毎日病院通いを続ける源さん。

「友達には“5年でやめるだろう”とか言われましたけどね。もう習慣になっています。今では、一日でも病院に行かないと罪の意識を感じるようになった。友達に呼ばれてどこかへ行って、見舞いにいけない時が時々あるじゃないですか。すると、心のどこかがチクッと痛む。風邪か何かで4~5日行けなかった時もあるんですが、行ってみると元気。それを看護士さんに伝えると、“いやいや落ち込んでいましたよ”と言われる。やっぱり私もかみさんに生かされているんですよ」

 改めて今後の生活を源さんはどう考えているのか。

「やっぱり海が好きなので、車椅子でも良いから、海岸に“散歩”できるようにして、海を見せてあげられるところまで回復させていきたいですね」

 しかし、その源さんも既に77歳だ。

「先はそうは長くない。だから今は、何とかかみさんより長生きして、看取らないといけないと思っています。かみさんはもう、両親も実の弟も亡くなっていて、私しか身寄りがありませんから。私が先に死ねば、誰も見舞いに行く人がいなくなってしまうじゃないですか。何とかそこまでは頑張らなければと気を張っています」

前編】で述べたように、源さんは佳那が倒れて以後、困窮し、生活保護を受けて暮らしている。

「金がないから、お墓も買えない。だから、かみさんが先に逝ったら、海に散骨してあげたいと思います。大好きな海だからきっと喜ぶでしょう。そして、その後、私が逝ったら、やはり伊豆の海に撒いてもらう…。結婚生活は、借金に闘病にと、いろいろなことがありましたが、これが私たち夫婦にふさわしい結末だと思っています」

前編】では、佳那の、くも膜下出血からの回復と、コロナ禍が襲った絶望、そして源さんが陥った経済的苦境について詳述している。

デイリー新潮編集部

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