猛暑で最高気温40度が連発、30年後には50度に達する可能性はあるのか 異常気象の専門家は「外国の50度より、日本の40度のほうが体感温度は高い」と指摘
50度より暑く感じる日本の夏
ところが、である。50度台を記録した地域の体感温度は、日本の40度台よりも涼しい場合も珍しくないという。裏を返せば日本の夏は、たとえ35度台でも世界トップクラスの暑さなのだ。
「最高気温が50度に達するような地域は内陸に位置していることが多く、その場合は空気が乾燥しています。私も東南アジアで50度近い猛暑を体験したことがありますが、確かに強烈な暑さです。とはいえ日陰に入ると湿度が低いので相当に涼しく感じます。さらに乾燥していますから放射冷却が発生して夕方を過ぎると気温は30度を下回ります。猛暑日の定義は最高気温が35度以上ですが、日本の35度は湿度が高いので非常に暑く感じます。さらに空気中の豊富な水蒸気は温室効果ガスと同じ働きを持ち、放射冷却を妨げて夜もジメジメして暑くなります。熱帯夜の定義は『夜間の最低気温が25度以上』ですが、近年の日本では夜でも30度台の気温が珍しくありません。今や日本の夜は熱帯地方の夜より暑く、熱帯夜の専門用語は見直す必要があるかもしれません」(同・立花教授)
気象庁が発表する最高気温より、私たちが体感している気温は暑いのではないかという指摘も根強い。
アメダスの設置場所
地域の気温、風向き、風速、降水量などを観測しているアメダス(地域気象観測システム)の設置場所には決まりがある。必ず下は芝生で、風通しの良い場所であることが条件だ。さらに気温は地表から1・5メートルの高さで計測する。
立花教授は「私たち日本人は、すでに気温50度の世界を体感しているのではないか」と指摘する。
第2回【えっ、いまの気温は35度? 50度近くあるのでは…実は「日本でもすでに50度に達している可能性はある」と識者 謎を解くカギはアスファルトの表面温度】では、“地球沸騰化”の悪影響が日本を直撃する気象的メカニズムや、猛暑で日本人の“人心”さえ変貌する可能性をお伝えする──。






