放流に備えて「早めに呼びかけた」…18人が濁流にのまれた99年「玄倉川水難事故」、空襲警報のようなサイレンと繰り返された退去要請

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 警視庁の統計によれば、令和6(2024)年の水難は過去10年間で最多の1535件、水難者は1753人だった。死者・行方不明者の人数を場所別にみると、海(372人)と川(288人)で全体の約80%。さらに中学生以下に限定すると、川(18人)が海(5人)を逆転し、全体の約64%を占める。

 今年も早くから安全の心得などが広く呼びかけられているが、すでに複数の事故が報じられている。そうしたニュースに必ず存在するのは懸命の救助活動を行った人々だ。1999年8月14日、神奈川県足柄上郡山北町の玄倉(くろくら)川で18人が濁流に押し流された水難事故。...

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