どうして私には“あだ名”がないのか? 唯一無二の「キラキラネーム」より「ニックネーム」をつけやすい“名付け”を勧める理由
昔からあだ名や下の名前で呼ばれる人が羨ましくて仕方がなかった。なんだか多くの人が親しみを感じる好人物、という感じがしたからだ。舌鋒鋭い堀江貴文氏にしても、「ホリエモン」と書かれると途端に呑気で親しみやすさが出てくるのは不思議なことである。自分自身、小学生の頃からあだ名はつかず、姓で呼ばれ続ける人生だった。「なんで下の名前や、あだ名がつかないんですか? 私はとっつきにくいんですね。だからよそよそしい態度を取っているのですか? あだ名か名前で呼ばれる人と扱いを変えているのですか!」なんて拗ねて、被害妄想さえ抱く始末であった。【中川淳一郎/ネットニュース編集者】
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下の名前で呼ばれるには
しかし、あだ名や下の名前で呼ばれるのは、その人のキャラや親しみやすさ以外に、そもそも、名前の影響が大きいのでは、と、ある時から思うようになった。
名付けをする際、そうしたことを念頭に置いて工夫することで、我が子がもしかしたら親しまれるあだ名をつけられるかもしれない。それがひいては自信に繋がり、クラスの人気者、上司から可愛がられる部下、部下から慕われる上司になるのかもしれない、と感じたのである。余計なお世話ではあるが、これから我が子に名前を付ける親御さんが、楽しくこの件について話し合うと、素敵な将来が待っているかもしれない。
下の名前で呼ばれる代表格は「〇平」である。落語家の林家こぶ平、林家いっ平、林家たい平などがいるが、彼らが街ロケなどをすると「こぶ平~!」などと親しみを込めて呼ばれる。一般人でも「陽平」「浩平」「翔平」「文平」「新平」などもこの名前で呼ばれがちである。挙げ句の果てには、ヤクルトの名選手だった高井雄平は登録名が「雄平」になった。サザエさんに登場するカミナリオヤジも「波平」で、小学生だろうが呼び捨てだ。波平の妻・フネのことは「フネさん」と呼ぶのとは対照的だ。
私の地元・佐賀県の自民党参議院議員の一人に「山下雄平」氏がいるが、彼は45歳。小柄で童顔なこともあってか、いつまで経っても有権者からは「甥っ子」的ポジションにいるように感じられる。何しろ誰もが「雄平」と呼ぶのだ。年上ならともかく、30代ですら山下氏のことを「雄平」と呼ぶ。地元の衆議院議員は「古川康」「大串博志」の両氏だが、この2人は「古川さん」「大串さん」だ。もう一人の参議院議員は厚労大臣の福岡資麿氏だが、同氏も山下氏同様、下の名前で呼ばれる。同氏は童顔のイケメンで、何しろ名前が「たかまろ」だからだ。「まろ」の二文字により、下の名前で呼ばれるのである。
大谷翔平の元通訳である水原一平氏も「一平」である。彼は大谷のカネを散々盗んでいたことが明らかになり収監されたが、この件が明るみに出るまでは親しみを込めて「一平さん」と周囲の人からも、SNSやYahoo!ニュースのコメント欄でも呼ばれていた。
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