美川憲一、『紅白』の風物詩となった小林幸子との“豪華衣装対決”は「宝石まで全部自前。私から仕掛けた」 90年代再ブレイク時の思い出を語り尽くす
「おだまり!」の誕生秘話や「娘みたいな存在」の神田うのとの出会いを語る
小林幸子と初の直接対決となった’94年には、吉幾三が作詞・作曲を手がけたシングル「おだまり」(Spotify第8位)を歌唱し、ラストには宙づりになりながら“幸子、おだまり!”と叫んだことも大きな話題に。
「この決め台詞が生まれたのは、再ブレイクする数年前、全国の温泉場などで歌っていたときのこと。みんなお酒を飲んで、私の歌なんて聞いちゃいないから、注目を集めるために“おだまり!”って言うようになったんです」
なお、この19回の連続出場の期間中、美川は’96年のシングル「北国夜曲」で18年ぶりにオリコンTOP100入り、また’02年の「湯沢の女(ひと)」と’04年の「納沙布みれん」では約30年ぶりのTOP50入りに復活し、それぞれの年末の『紅白』で新曲を歌唱。つまり、バラエティ的な一面だけではなく、ヒット歌手としても復活を果たしているのだ。Spotifyランキングでは「北国夜曲」が13位、「湯沢の女」が14位、「納沙布みれん」が10位と、今も手堅い人気曲となっている。
「『納沙布みれん』のときには、キャンペーンで実際に納沙布に行きましたね。『北国夜曲』や『納沙布みれん』は水森英夫さんのメロディーですが、ポイントごとにしっかりと歌えるように作られていて、大好きなんですよ。親近感があるというか」
こうして音楽面でしっかり根を張りつつ、バラエティや旅番組では、神田うのとの共演がとても多い印象がある。やや音楽の話題から離れるが、この際だからきっかけを尋ねてみた。
「彼女とは30年ほど前、愛川欽也さんが司会の『なるほど!ザ・ワールド』(フジテレビ系)で共演したのが最初です。時代が変わってきたからか、“こういう回答をする子が出てきたんだ、面白いわ~”と思って、私のほうから声をかけました。彼女は、なんでも正直に言っちゃうのがいいんだけど、それが人によっては欠点に捉えられちゃう場合もある。だから、そういうときは、私がフォローするようにしています。彼女はね、もう娘みたいな存在ですよ。結婚するときも、母親になるときも、私がついていましたから」
バラエティ番組ではゴージャスな衣装を纏い、周囲に難くせをつけながらワガママをいうキャラクターで笑わせてくれることが多い美川。だが、実際にはむしろその逆で、周囲の無理な注文にも機転を利かせて、その場を盛り上げるという真のエンタテイナーであることが、さまざまなアイデアからもよく分かる。再ブレイクから今年で35年、今も若い世代から知られているというのは並大抵のことではない、と改めて感心した。
最終回となる次回インタビューでは、近年ライフワークとして始めたシャンソンや、B’zの松本孝弘とGLAYのTAKUROがタッグを組んだ最新シングル「これで良しとする」について伺ってみよう。
【INFORMATION】
◎デビュー60周年記念シングル発売中
表題曲「これで良しとする」、カップリング曲「華散れど月は輝く」ともにB'zの松本孝弘さんが作曲、GLAYのTAKUROさんが作詞を担当。60周年にふさわしい楽曲となった本作をご堪能あれ!
◎コンサート情報
・2025年7月20日「斎藤絹枝ふれあい歌踊チャリティーコンサート」ゲスト出演
会場:神奈川県愛川町文化会館ホール
・2025年7月24日「東京都 美川憲一・コロッケスペシャルコンサート」
会場:J:COMホール八王子/チケット:全席指定7700円
詳細は公式ウェブサイトにて
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