「しがみついているって見えるらしいけど…」 石破首相がオフレコで放った本音 森山幹事長の去就は?
【全2回(前編/後編)の前編】
石破茂首相(68)本人によるオフレコの肉声からは、続投と退陣の間で揺れ動く、本音が読み取れる。一方、“保守復権”を掲げて自民党総裁選出馬に意欲を示す高市早苗前経済安保相(64)もポスト石破の最右翼と目されながら、党内では苦境に立っているという。
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連日のように35度を超える危険な猛暑日となる中、石破茂首相が眠れぬ夜を過ごしているのは暑さのせいばかりではあるまい。
「森山さんが辞める時は、私が辞める時です。森山さんのおかげで10カ月やってこられたのだから――」
これは、その石破首相本人が周囲に語ったオフレコの肉声だ。「森山さん」とはほかでもない、森山裕党幹事長(80)のこと。森山氏は先の両院議員懇談会で参議院選挙の総括後の辞任を示唆しているが、首相は重要な政策決定や党内調整の場面で幹事長に頼り切ってきた。驚異的な粘り腰で宰相の座に居座る石破首相だが、森山氏の去就が自身の命運を左右することをよく理解しているのである。
また、こんな具合にぼやいてもいるという。
「伊東の市長と一緒にされてたまるかよ、みたいな感じがしますけどね。しがみついているって、一緒に見えるらしいよ」
静岡県伊東市の田久保眞紀市長(55)が学歴詐称疑惑を受けて辞意表明したにもかかわらず、一転、撤回して批判を浴びている。石破首相はそんな市長と自分は違うと言いたいようだ。
“幹事長の代わりはいくらでもいますが……”
さらにこんな発言も。
「ああいうところで人間の真価がよく分かる。船田さん、鈴木宗男さん、稲田朋美さんとかね。真っ当なことを言ってくれる人はいますよ」
両院議員懇談会では、石破首相の責任を問う声が大勢を占めたが、船田元・元経済企画庁長官(71)や鈴木宗男参議院議員(77)からは「続投容認」の声が上がっている。稲田朋美元防衛相(66)からも「(裏金問題を起こした)清和会(旧安倍派)にも責任がある」などの発言があった。首相は数少ない党内の応援団の存在に意を強くしている様子である。
とはいえ、首相が最も気にしているのは政権の“守護神”たる森山幹事長の言動だろう。
自民党関係者が明かす。
「森山幹事長は最近、親しい関係者に“デマを流して議席を取った人間に政治を任せられないので、石破首相や森山幹事長は辞められない”というSNSの投稿を披露しながら、“党内と世論の空気は違いますよ”と自身の去就について含みを持たせています。ただし一方で、“幹事長の代わりはいくらでもいますが、総理の代えはいません”とも言っています」
石破首相を支える姿勢は示しつつ、森山幹事長自身は責任を取る考えに変わりがないとも受け取れる。
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