「しがみついているって見えるらしいけど…」 石破首相がオフレコで放った本音 森山幹事長の去就は?
総裁選レースの号砲が
政治ジャーナリストの青山和弘氏の話。
「石破首相は周辺に“(森山幹事長は)辞めるとは明言していない。幹事長としての責任の所在を明らかにすると言っただけだろう”と語っています。石破首相は、森山幹事長を慰留しようとするでしょう。ただし首相は、森山氏に強くモノは言えません。首相の慰留を受けて、森山氏が翻意するかどうか……」
続けてこう言う。
「森山氏の辞任の意思が揺るがなければ、石破政権は非常に厳しい局面を迎えます。後継の幹事長候補がいませんから。例えば船田氏や側近の赤澤亮正経済再生担当相(64)なら幹事長を引き受けるかもしれませんが、党をまとめるのは難しく現実的ではありません」
すでに石破首相の退陣を見据えて、党内では総裁選レースの号砲が鳴った。
さしあたって、レースの出場候補は、昨年の総裁選に立候補した首相以外の8名だ。中でも特に注目を集めるのが、高市早苗前経済安保相である。
「自民党はもう一度、保守路線に回帰する必要が」
政治部デスクが解説する。
「高市氏は前回の総裁選では決選投票でこそ石破首相に敗れて苦杯を嘗(な)めましたが、1回目は党員票で最多の20万3000票を獲得した上でトップに立っています。党員票だけで見れば、一番人気であるのは間違いない。安全保障分野で保守的な政策を訴える参政党の躍進は、タカ派として知られる高市氏にとっても追い風でしょう」
前回の総裁選で高市氏を支援した西田昌司参議院議員(66)が言う。
「世界の潮流は保守・反グローバリズムです。実際、参院選でも保守色を全面的に打ち出した参政党が一人勝ちしました。自民党の支持者だった保守層が参政党の支持に回ってしまったんです。自民党はもう一度、保守路線に回帰する必要があります」
だが、保守を旗印に掲げる高市氏は党内では、存外、苦境にあるという。その理由について、後編【「なぜ100%負ける戦争を始めたのか」 石破首相が周囲に明かす“戦争観” 次期総裁レースの舞台裏とは】で報じる。
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