もしも自民党が「高市新党」と「石破新党」に分裂したら…専門家が「最も得をするのは有権者」と断じる“納得の理由”
衆参の定員も見直すべき
「複数の政党が連立を組んで政治を動かすことが常態化すると、政党や政治家は打算的な傾向を強めてしまいます。さらに目先の政治課題だけを優先し、長期的な視野に立った政治が難しくなることも見逃せません。何より二大政党制は政治に緊張感をもたらします。片方の政党が失政のため選挙に敗れると、すぐに片方の政党が政権を担当するというのは、国民にとってメリットの大きい政治制度なのです。もし『日本人の価値観は多様化しているため、中小の政党が乱立する多党制のほうがいい』と主張するのであれば、投票先が多く死票の少ない中選挙区制に戻すべきでしょう」(同・鈴木氏)
まず国会議員が取り組むべきは、小選挙区制の総括だと鈴木氏は指摘する。二大政党制を実現する選挙制度改革だったはずなのに、なぜ実現していないのか、実現するにはどうしたらいいのか──こうした点を国会が徹底的に調査すべきだという。
「その際、衆議院と参議院の定数も見直すべきでしょう。衆議院は465、参議院は248の定数ですが、『こんなに必要なのか』と疑問を感じている国民は決して少なくありません。国会議員は当選することしか考えていないため、選挙制度や定数の見直しには消極的だと言われています。しかし、国民が政界再編を求めていることは参院選の結果やネット上の議論からも明らかでしょう。裏金問題や物価高対策の無策、税金と社会保障費の負担感が増えていることなど、国民の政治不信は頂点に達しています。しかし国民の求める政界再編を国会議員が避ける姿勢を見せたなら、さらに異次元の政治不信に達してしまう恐れがあります」(同・鈴木氏)
第1回【議論が白熱する「自民党分裂」は現実となるか? もはや“机上の空論”ではなく「政界再編につながる重要な政治課題」と識者】では、なぜ石破首相は“石破おろし”に抗うのか、そこに自民党分裂論が影響を与えていることを詳細に報じている──。
[2/2ページ]

