「恐竜は良かった」でも「乗れたの2つだけ」計6.5万円のジャングリア沖縄 行くなら「美ら海」より先にすべき

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高いところが好きならば

 17時10分に体験した「スカイエンドトレッキング」は、足場の踏み板よりも広く空いた隙間が連なる、全長84メートルの吊り橋。ジャングルの谷底に広がる約34メートルの高低差を臨みながら、自分の足と命綱だけを頼りに渡るというスリル満点のアトラクションだ。

 少しだけ高所恐怖症の気がある筆者にとっては、命綱を着けているとはいえ緊迫する経験となった。「何でこんな怖い事をわざわざ…」と思ったのだが、ほかに遊べるアトラクションがないため仕方がない。おそらく今後は2度とないであろう良い経験をした。

 ほかにも、ワイヤーで吊られて移動する「スカイフェニックス」などがあり、ジャングリアは高いところが好きな人にとっては楽しめるアトラクションは多い。こうした自然の中での壮大なアスレチック体験は、まさにここでしか味わえないものだろう。この点を追求していけば、ほかのテーマパークと差別化できそうだ。

 アトラクションと共にテーマパーク体験を支えるキャストについては、皆さん常に笑顔で手を振ってくれ、ホスピタリティ精神にあふれており、感心させられた。来園者とのコミュニケーションを大切にしている姿勢は随所に感じられ、とても好印象だった。

 一方で、統括する責任者が不在なのか、それとも毎日変更されるレギュレーションへの共有が不十分なのか、質問した内容に対して答える人によって回答が食い違うことが何度もあった。オープン間もない時期であることを考えれば、こうした混乱は時間とともに解消されるとは思う。それでも「もう少し事前のシミュレーションでスムーズな運営ができたのでは?」という感想を抱かずにはいられなかった。

ディナーは半分ほどしか埋まっていない

 このほか、アトラクションだけでなく、別料金のスパエリアとパノラマダイニングのディナーも体験した。スパエリアは日帰り温浴施設のような雰囲気で、サウナーの筆者にとっては合格点の浴室だった。少し落ち着いた時間を過ごすにはぴったりの場所である。ただ、浴室の外のエリアに休憩スペースや座れる場所が少なく、床に座る人が散見された。

 パノラマダイニングは、ジャングリアの営業終了時間である19時から、1人6,000円のディナーセレクトコースを奮発して予約した。沖縄産の食材がふんだんに使われた料理は美味しく、個人的にはジャングリア滞在の中でもっとも“沖縄らしさ”を感じられる体験だった。

 ただしここにもいくつか改善の余地は見られる。席料が無料の屋内スペースで食事をしたのだが、19時30分からの花火を見るにはテラスに出る必要がある。屋外の有料席以外では身を屈めないと全貌が見えない構造だったのは惜しいポイント。花火を打ち上げる高さなどに、もう少し工夫があるとよいと感じた。

 また、これはこの日のみの対応かもしれないが、ランチとディナーの切り替え時間に一時閉店しており、飲食や休憩スペースがなくて困っているお客さんが多く見受けられた。先述のとおり日差しやスコールの避難場所という意味でも、通しでの営業が望まれる。またディナーは完全予約制だが、座席の半分ほどしか埋まっていなかった点も気になった。予約なしの当日利用も可能にすれば、もっと多くの来場者が気軽に利用できるようになるのではないかと思う。

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