「衆院選で勝利できる」ポスト石破候補とはいったい誰なのか 麻生氏がクローズアップされることのマイナスは

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衆院選の顔とは

 麻生氏が存在感を示すこと自体、党の支持率にプラスになると見る向きは少ない。とはいえ石破氏がこのままずっと政権を維持できると見る人もまた少ないようだ。

「先の参院選の総括が出る8月末には森山裕幹事長が責任を取って辞任する可能性が取りざたされています。森山氏は影の総理とも呼ばれ、石破政権を支えてきた人物で、彼なしでは政権は立ち行かないと見られています。石破氏も首相の地位に恋々としているわけではないようですから、辞任のカウントダウンがすでに始まっていると見るムキもありますね」(同)

 となると次の総裁選びということになるわけだが、麻生氏が示した「衆院選で勝利できる」人物とは誰を指すのか。

「小泉進次郎農水相ですね。無派閥だったので旧派閥にどっぷりつかっておらず、どの陣営も乗ることができ、“コメ騒動”対応への評価はおおむね高く、世論調査の人気度も常に上位。小泉氏を総裁・首相にしてなるべく早く解散総選挙を行って衆院でできる限り議席を回復させる……というシナリオが理想的なのでしょうが、その通りに行くかどうかはなかなかハードルが高いでしょう」(同)
 
 そもそも石破氏自身、「衆院選の顔」として担がれたわけだし、もっとさかのぼれば麻生氏も2008年の政権発足直後はまぎれもなく「衆院選の顔」だったはずだ。

裏金はしばらく蒸し返される

「自民党総裁選をメディアがこぞって取り上げ、野党の勢いがそがれ、その余勢を駆って新総裁が衆院選に打って出る……といったストーリーがかつてなら通用したかもしれませんが、今そんな話をする人はあまりいないですね。先ほども触れたように、総裁選は党内政局に明け暮れる政党という印象を植え付けかねません」(同)

 実際、仮に石破氏が辞任して総裁選がスタートしたとして、有力候補をどの旧派閥が推すのかといった報道が繰り広げられることになるだろう。

「“旧態依然とした決め方だ”くらいならまだマシなほうで、“派閥ってなくなったんじゃないの?”とか“派閥をなくすきっかけって裏金問題じゃないの?”“裏金議員って責任取ったの?”などといった声がどんどんあがってくることも容易に想定されます。自公が衆院で過半数を失って以降、“決められない政治”がどんどん進んで行くことを見据え、“宙ぶらりんのまま進めるのではなく、どこかで体制をハッキリさせたほうがよい”といった指摘は自民内からよく聞こえてきました」(同)

 自公が政権を維持する前提なら連立の幅を広げるのが現実的だが、野党はそうやすやすと沈む船に同乗する気はないだろう。

 自民党のイメージを変える手としては、80代以上の議員が一斉に身を退くのも一案であるが、麻生氏からそのようなアイディアが出ているという情報は伝わってこない。

デイリー新潮編集部

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