読売グループで「桑田二軍監督」の評価が急上昇 “パワハラ体質”阿部監督の失速で高まる「理論派」待望論
セ・リーグは7月30日、首位阪神に早くもマジック39が点灯した(翌日、消滅)。独走を許し、ペナントレースをつまらなくした「戦犯」の1人が、11ゲーム差を付けられたライバル・巨人であることは疑いない。前半戦だけで直接対決に5勝13敗、球団史上最速の負け越しが決まり、独り勝ちに最も“貢献”しているのである。今季は総額70億円以上という空前の大補強を敢行したが、8月1日現在で借金生活。阿部慎之助監督も、選手への懲罰交代や「ダメ出しコメント」を連発する「昭和の体育会系」スタイルの指導が続く。そうした状況の中で、読売グループの中では桑田真澄・二軍監督の評価が急上昇という……。
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とにかく暗い
暗い。とにかく暗い。阿部監督のコメントが後ろ向き過ぎるのだ。例えば、7月29日の対中日戦。トレイ・キャベッジ外野手がフライを落下点に入りながら落球(記録は二塁打)。試合後、監督は「もう一回詰めていかないと痛いミスになっちゃう。記録にはなっていないけど、エラーだよ」と暗い表情で指摘した。しかし、この試合でキャベッジは4番で出場し、2本塁打、5打点を挙げた。巨人担当記者は言う。
「もともと打撃を期待して入れた選手で、守備での要求レベルは高くない。岡本和真という絶対的な4番を怪我で欠く中、その代役候補の活躍で、打撃を手放しで褒めてもいい場面です。もちろんミスはミスですから苦言を呈することは必要。しかし、それはコーチを通じて本人に直接言えば良いだけの話で、わざわざマスコミに話して“公開説教”する必要があるほどのことだったのか」
7月17日のヤクルト戦、同点の3回無死1、2塁でバントを失敗した泉口友汰内野手を、「今日は戦力にならない」と即座に懲罰交代。ベンチで涙目になり、長野久義外野手に慰められる泉口の姿が話題になった。
7月22日、前半戦の終了報告を山口寿一オーナーに行った後、記者団から前半戦絶不調で2度の2軍落ちを経験したエース・戸郷翔征投手について問われ、「チームに迷惑をかけてるんだから投げろ!」と言い放った。
その前の7月19日には阪神に敗れ、自力優勝が消滅した。その際には「力の差が歴然としている」と述べている。
「事実とは言え、チーム状況が悪い中であえてマイナスのコメントを連発する必要があるのか。仏頂面と相まって、チームには常に重苦しい雰囲気が漂っています。これでは選手も失敗を恐れて萎縮してしまわないでしょうか。チャレンジを評価し、伸び伸びプレーさせて日ハムを優勝争いさせている新庄(剛志)監督とは対照的です」(同)
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