リ・スタート「西村康稔」元経産相が語った「日本の成長戦略」 AI・ロボットを徹底活用し、所得増と行革を
インド太平洋とグローバルサウス
――さまざまな政策を進めるため、自身はどのように活動していくか。
現在、次世代エネルギー技術の促進を目指す「革新エネルギー議員連盟」の会長を務めている。バッテリー議連では会長代行、半導体議連と自動車議連では、いずれも会長代理だ。このように、日本の今後を担う中心的な産業の議連の中核メンバーとして日本の経済成長を加速させるため、引き続き精力的に活動していく。
また、5月に自民党の「自由で開かれたインド太平洋戦略本部」の副本部長に就任した。この本部は、故安倍晋三元首相が提唱した「自由で開かれたインド太平洋」構想を継承、発展させることを目的としている。同構想は日本が提案したビジョンとしては世界で最も受け入れられたものの一つであり、トランプ米大統領も賛同した。この地域での航行の自由や安全の確保に加え、投資や貿易の拡大を目指す。
――インド太平洋のみならず、グローバルサウスの取り込みも重要だ。
アフリカや南米まで広げることも視野に入れ、重要鉱物、レアアースなどの資源確保にも努力したい。経済、安全保障の両分野で連携を進める方針だ。私が経済産業相を務めていた時、グローバルサウスに関する予算を毎年1,500億円ほど使えるように確保した。経済成長が期待されるインド太平洋の需要をしっかり取り込めるよう、日本企業の展開を支援していく。
志を同じくする仲間と政策磨く
――かつて党総裁選にも立候補している。今後の政治活動はどのように進めるのか。
現在は、さまざまな議連で多彩なメンバーと幅広く活動している。また、2009年の総裁選に立候補した後、派閥に関係なく、有志による勉強会「戦略研究会」を国会開会中に原則毎週、開催している。途中、新型コロナウイルス感染症の流行で休止した時期もあるが、それを除いても十数年間続けてきたことになる。経済に限らず安全保障などの分野などを含め、第一線で活躍する講師を招いてきた。
この勉強会は、毎回20~30人の国会議員が参加している。こうした派閥に関係なく志を同じくできるメンバーと連携し、まずは政策を磨き、練り上げていきたい。特に経済政策、外交でメッセージを発信することが重要だ。故安倍総理の思想は、保守の考えに基づきながら、同時に改革も両方実行していくものだ。安倍さんには、リアリストの面があった。そうした思い、姿勢をしっかりと受け継ぎながら、日本のため、国益のためにビジョンを練り上げ実行していきたい。
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