「政治的無知と認知バイアスで“バカの二乗”に」 先進諸国での極右勢力の台頭…その原因とは
“バカの二乗”
加えて、こうも言う。
「どこの先進諸国でも、政治的な無知が問題になっています。この政治的無知と認知バイアスで“バカの二乗”に陥っているのが現状でしょう」(綿野氏)
参政党のような不気味な極右勢力の台頭は、日本に限らない。トランプ大統領のアメリカはもちろん、
「イギリスでは地方選挙において極右政党の『リフォームUK』が勢力を伸ばし、ドイツでも極右政党の『ドイツのための選択肢』が第2党となっています」(JX通信社の米重克洋代表)
というから、世界共通の悩みのタネといえる。
「突然舞い降りた落下傘のような政党ではない」
さて、11議席以上を確保したことで、予算なしの法案を提出できるようになった参政党。今後、どのような展開が予想されるのか。
政治アナリストの伊藤惇夫氏が語る。
「自公の連立政権が連立拡大に動かず、衆議院、参議院ともに少数与党のままでいくとなると、野党の賛同を得なければ法律が一本も成立しないことになります。すると、自公からすれば参政党との政策協議についても、まったく拒否する、というわけにはいかなくなる。ただ、参政党の衆議院の議席が3と少ないので、政策協議の優先順位でいえばかなり低いでしょうね」
また、選挙前と違って、無責任なことばかりも言っていられない。
「これほど注目を浴びている政党ですから、これからは今までの発言や素っ頓狂な憲法草案などがメディアを通じて徹底的に検証されます。そのとき、今のような勢いを維持できるのか、微妙な気がします。維新の会も国政に出てきたときはものすごく元気がよかったですが、今やすっかり失速していますからね。しかし、参政党は地方組織がしっかりしていて、支部が約300あり、地方議員が約150人もいるので、突然舞い降りた落下傘のような政党ではありませんが」(同)
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