なぜ“元Jリーガー”が「バーキン」を？ 約15億円で落札した本人が明かしたホンネ
エルメス「バーキン」の試作品第一号がパリのオークションで7月10日、ハンドバッグとしては史上最高額となる約14億7000万円で落札された。競り落としたのは、元Jリーガーの嵜本（さきもと）晋輔氏（43）が経営する「バリュエンスジャパン」。全国を駆け巡った今回のニュース、本人や親族の思いはさまざまだった。
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連結売上高814億円のスゴ腕経営者
大阪府出身の嵜本氏は高校卒業後、Jリーグのガンバ大阪に入団したものの、3年目に戦力外通告を受けた。その後、父親の嵜本政司氏（79）が営むリサイクルショップでビジネスの修業を始めたそうだ。
「嵜本さんはやがて、転売時の利益率が高い中古ブランド品や貴金属に目をつけ、これらの買取専門店『なんぼや』を2007年に開業しました。以降、競合相手がまだ少なかった市場を急ピッチで開拓し、11年にバリュエンスジャパンの前身となる『SOU』を創業。7年後の18年、東証マザーズ（現グロース）に上場を果たし、20年から持ち株会社体制に移行します。今や『バリュエンスホールディングス』は連結で814億円もの売上高を誇る、リユース業界を代表する企業です」（経済誌記者）
3兄弟の末っ子である嵜本氏には、長男の将光氏（45）と次男の晃次氏（44）という兄がいる。
「二人とも嵜本さんと同じく父の政司さんのもとで修業し、現在は経営者となっています。将光さんは洋菓子の製造販売、晃次さんは不動産業とホテル運営。嵜本家には、商売人の血が流れているのでしょう」（同）
本人は「人生を懸けた」
バーキンは、国際的な歌手で女優の故ジェーン・バーキンにちなんで名付けられたハンドバッグ。落札された試作品第一号は、彼女が約10年にわたり使用していたメモラビリア、つまりは価値ある記念品だ。
嵜本氏の父、政司氏は7月11日の朝、妻からの着信に折り返しの連絡をした際にニュースを知った。
「即座に“あんなもんに15億円も出して、どないするんや。誰に売るねん”と思いましたよ」
とは、政司氏。
「本人に電話すると“展示してお客様に見てもらいたい”と明るう言ってましたわ。まぁ、息子は昔からサッカーでもシュートをせず、パスを出してしまうタイプやった。周りを立てたり他人様によくしてあげたりするのんは、ええことなんやけどね……」
兄の晃次氏にも聞くと、
「家族みんなが入っているLINEグループに、晋輔がニュースを送ってきたんです。“大層なチャレンジをしたな”と思いましたが、何が目的か分かりませんでした。ほどなく本人に電話したら、至って真面目に“人生を懸けた”と語っていました」
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