【中学受験・夏のメソッド】御三家「武蔵中」を目指した小6男児が「夏期講習」から逃げ出した理由 子どもの心が折れた時に必要なこととは
転塾という選択肢も
夏期講習という子どもにとってストレスが溜まる時期に、まず大前提として必要なのは子供への歩み寄りです。ただでさえ同級生からのプレッシャーを受ける時期に厳しい叱責をすると子どもを追い詰めることになってしまいます。
実は、先の男の子は進学後に中学3年生で自主退学しています。母親の方針で中学受験後にすぐさま高校受験に向けた塾に通いはじめ、やり場のないストレスがあったのでしょう。中学2年生の後半から数か月にわたり、標的にした同級生の腹を殴るイジメを繰り返していたのです。最終的に中学3年生の10月にイジメが明らかになり、自主退学をすることになりました。
親から追い詰められることで溜まったストレスが他者に向かうこともあるのです。
この男の子のように、夏期講習が子どもに合わないと気付いた場合には転塾を検討するのも一つの手だと思います。私が取材した別のケースでは、大規模塾で授業についていけなくなり同じように夏期講習に行けなくなってしまった小学6年生の女の子が、小規模塾に転塾して成績を持ち直したという例がありました。大規模塾だとどうしても偏差値至上主義に偏りがちで、その分成績が伸びなかったときに劣等感に苛まれやすい。思い切ってその劣等感を断ち切ってくれるような環境に身を置くことが功を奏すこともあるのではないかと思います。
中学受験が終わった後も人生は続きます。小学6年生の時期に成績が伸びなかったとしても、その後ずっと勉強ができないということにはなりません。親御さんにとって大切なのは、子どもが勉強と前向きに付き合っていくように手助けすることではないでしょうか。





