なぜ、日枝氏の自宅の前で直撃取材をしなかったのか “好機”をみすみす逃した フジ検証番組

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女性社員への人権侵害

 7月6日、フジテレビで「検証 フジテレビ問題~反省と再生・改革~」という番組が放送された。元タレントの中居正広氏による女性社員への人権侵害事案についての検証番組である。

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 報道局・情報制作局が中心となって検証チームを立ち上げて、不適切な事後対応の原因や背景を取材したのだという。この番組を作った狙いとしては、自らに対する批判的な検証を行って禊を済ませることで、離れてしまったスポンサー企業に戻ってきてもらいたいということがあるのだろう。

 番組の前半では、なぜフジテレビが誤った対応を繰り返していたのかということについて、当事者の証言も交えて検証されていた。港浩一元社長、大多亮元専務、佐々木恭子アナウンス部長などがカメラの前で証言をしていた。

 この問題の核心は、会社が女性社員から相談を受けていたにもかかわらず、誠実な対応をしていなかったということだ。その経緯が詳しく語られていた。ただ、内容としては、公表されている第三者委員会の報告書に書かれていることをなぞっているところが多く、特に目新しい情報はなかった。

 このパート全体を見ていて感じたのは、港、大多の両氏を悪者にすることに力点が置かれているということだ。港氏は容姿で選別した若い女性社員を集めて定期的に会合を開いていた。その女性たちが接待要員として使われていた疑いが持たれている。一方の大多氏も女性社員を接待に参加させており、「女性アナウンサーは上質なキャバ嬢だ。ホステスで売れるアナウンサーが良いアナウンサーだ」と語っていたこともあるという。

 両者とも、これらの行為が差別的で許されないものであるという認識が全く欠けているような回答をしている。百歩譲って、本人たちに悪気がなかったのだとしても、社会通念上、外形的に問題がある行為であるのは明らかだ。

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