巨人の「乙坂智」獲得にビックリ…痛い星を落とし続けてVは無理、2位死守のため“打てる選手優先”にせよ【柴田勲のコラム】

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ペナントレースで逆転は無理

 前回のこのコラムの時点で首位・阪神と巨人のゲーム差は8だったが、14日時点で縮むどころか、ますます開いて最大タイの9.5となった。巨人は2位につけてはいるものの、残り試合は阪神と同じ58だ。

 言いたくはないが、これはもうペナントレースで逆転するのは無理だね。徹底的に2位狙いでいって死守するしかない。とはいっても最下位のヤクルトは別として横浜、広島、そしてここにきて4連勝し調子を上げている中日もいる。

 今後、どうなっていくのか。混沌としてきた。一戦一戦を大事に戦っていくしかない。

 巨人、落としてはいけない試合を落としている。13日、DeNA戦(横浜)で逆転負けして同一カード3連勝を逃した。

 赤星優志が2点リードの3回2死から一挙3点を失った。これはいかん。佐野恵太に1-1から浴びた一発は145キロの真っすぐだった。小林誠司は外角に構えていたが真ん中に入った。

阪神との差が開いていくのも当たり前

 投げ急いでいた。明らかに失投だった。今季の赤星らしくない投球だった。宮崎敏郎の勝ち越し打は外角低めのフォークをうまく打たれた。とはいえ、4連打を浴びた。しちゃいけない投球だった。

 失投といえば、9日の中日戦(福島)でライデル・マルティネスが2死から細川成也に許した逆転の3ランもそうだった。

 フルカウントからチェンジアップか、フォークのすっぽ抜けだった。いわゆる半速球となった。打者にとって最も打ちやすい。あそこは長打にならない外角の真っすぐだろう。おそらくマルティネスの希望だったと思うが、悔いが残る痛い失投だった。

 まあ、その前には6日の広島戦を大勢で落としているし、阪神との差がジワジワと開いていくのも当たり前だ。

乙坂智は本当に戦力になるのか

 そんなさなか、巨人が乙坂智外野手、31歳と支配下選手契約を結んだ。入団テストの結果、決まったという。右投げ左打ちだ。2021年のオフにDeNAを戦力外となり、22年からはメキシコ、ベネズエラ、米独立リーグなどでプレーしてきた。

 このニュースを聞いたとき、「はあっ?」と思ったしビックリした。こんなことを考えること自体おかしい。

 確かに現在、巨人の外野のレギュラーは丸佳浩だけだが佐々木俊輔、中山礼都、オコエ瑠偉らが頑張っている。ファームには右手首を負傷してリハビリに励んでいる浅野翔吾だっている。

 大砲として期待していたトレイ・キャベッジが誤算だったということだろうが、乙坂はDeNA時代の8年間で通算155安打、打点も19年の17が最高(※1)だ。若くてこれからという選手なら分かるが、本当に戦力になるのか。

 いま伸び盛りで当たっている選手がいる。いずれはケガで戦線離脱中の岡本和真も帰ってくる。一塁で起用することになる。その時、増田陸、荒巻悠をどうするのか。

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