きょうネトフリ配信「火垂るの墓」 庵野秀明が手掛けた「あのシーン」に注目! 高畑勲監督がアニメーションで描き続けたもの

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 アニメーションの可能性を広げ続けた希代の演出家、高畑勲さん。その創作と思索の軌跡をたどる展覧会「高畑勲展―日本のアニメーションを作った男。」が、東京・麻布台ヒルズで開催中。貴重な資料と共に、彼の仕事を振り返る。

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描き続けた“時代と人間の関係”

 高畑さんは、初監督作品「太陽の王子 ホルスの大冒険」(1968年)を皮切りに、」アルプスの少女ハイジ」(74年)や「赤毛のアン」(79年)でリアリズムに裏打ちされたアニメ表現を確立した。展示の第1章では、出発点となる演出助手時代の「安寿と厨子王丸」(61年)から始まったその道のりを追うことができる。

 85年には宮崎駿らと共にスタジオジブリの創設に関わり、「火垂るの墓」(88年)、「平成狸合戦ぽんぽこ」(94年)などで、時代と人間の関係を誠実に描き続けた。

 展示の核となっているのも、この「火垂るの墓」(野坂昭如原作・新潮文庫所収)だ。今回、「重巡洋艦摩耶」が空襲下の神戸を進むシーンの原画を担当した庵野秀明(後の「エヴァンゲリオン」監督)によるレイアウトが初公開されたほか、戦時下の日本人の姿を見事に描き出した保田道世による登場人物の色彩設計なども展示されている。

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