「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」ではなかった「淀川長治」最後の言葉

映画週刊新潮 2016年3月17日号掲載

「ハイ、またお会いしましたね!」、「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」。89歳で亡くなった淀川長治氏は、駄作と評判の映画であっても決して貶(けな)すことがなかった。そんな映画愛に溢れる人物が残した最後の言葉とは。

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 1998年の11月11日、東大病院の病室で淀川氏は最期の時を迎えようとしていた。その手を、しっかりと握りしめていたのが、姪の美代子氏(雑誌「クウネル」編集長)である。

「叔父はもともと肉が好きな人で、正月にホテルですき焼きを食べるのが恒例になっていたのです。

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