「聖地巡礼」が高じて「聖地に移住」するアニメファンが増加中 京都の神社で氏子総代になった「ユーフォ」ファンが明かす「聖地に住む魅力」

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人と地域のためになることをしていきたい

――小栗さんは、「ユーフォ」に出合う前からアニメは好きだったのでしょうか。

 中学生の頃に「けいおん!」にハマって、ちょくちょく見ていました。その後は、「ラブライブ!」や「アイドルマスター」などにハマりました。ちなみに、「ユーフォ」から離れていた時は、「ラブライブ!サンシャイン!!」の聖地の沼津によく行っていました。

 京アニの作品は「涼宮ハルヒの憂鬱」をはじめ、「らき☆すた」「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」「小林さんちのメイドラゴン」などを見ています。京アニ作品は絵のタッチが好きなのですが、シナリオもドはまりするものが多く、作品の世界観も含めて心惹かれるものがあります。

――アニメの聖地に移住を成功させるための秘訣はありますか。

 キャラクターへの愛はもちろんですが、地域に対する愛が大事だと思います。沙里のことが大好きすぎて神社のためにもなりたいと思ったし、宇治のために貢献したいという思いも強くなりました。あとは勢いです。移住すると決めたら、仕事も、家も、なんとかなると思います。

 僕は10代の頃はバカなことをしていたし、社会不適合なことしかしていませんでした。人に感謝されることをしたことがなかったと思います。「ユーフォ」という作品、そして沙里と出会ったことで、人のためになることをしたいという気持ちが芽生えました。そんな作品の舞台である宇治に、恩返しをしたいという思いがあります。

――宇治を訪れる人にメッセージをお願いします。

 沙里の実家である許波多神社に、ぜひいらしていただきたいです。許波多神社は地域に愛されている神社です。お祭りのときは近所の小学生も遊びに来るし、地域外から訪れる方もたくさんいます。そして、境内の雰囲気が落ち着くんですよね。静かでゆっくりできますし、風が吹いたら木の葉がサーッと音を立てるのもいい。神秘的な雰囲気もあります。

 許波多神社はこの10月にもお祭りがあります。お祭りは氏子総代としてもっとも大事な行事のひとつ。頑張って準備したいと思いますし、これからも宇治のためになることをいろいろと考えていければと思っています。

取材・文=山内貴範

デイリー新潮編集部

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