「新宿タワマン刺殺」裁判傍聴ルポ 被害女性は「ナメクジ以下でも貸してくれるサラ金に行け」と和久井学被告を罵倒しながら貢がせていた “落ち度”は酌量されるべきか
被告人質問の途中、泣き出した和久井被告
9日の第4回公判で行われた被告人質問。和久井被告は弁護人から「告白した時」について聞かれ、「びっくりしたが、嬉しかった」と答えた。
「まだ彼氏と別れたばかりでマンションには入れられないが、プラトニックな関係ならばいいよと言われました。それで彼氏と言えるのかなとは思ったが、受け入れないと付き合えないので理解しました」(和久井被告)
しばらくして、A子さんの「入院中」に和久井被告がひどい暴言を吐いたことがきっかけで一度2人の関係は途切れたと語った。だが、再びA子さんから連絡が来て、「暴言は水に流す」「私の夢に人生をかけてくれたら結婚する」と言われ、和久井被告は「迷わずわかったと答えました」と語った。弁護人に「なぜ迷いがなかったのか?」と問われると、
「入院中、彼女にひどいことを言ったことを反省していたし、夢を叶えてあげたいと思った」(同)
そして「命の次に大事な車とバイク」を売却して得た1750万円のうち1600万円をA子さんに手渡したというのである。
「A子さんが大好きでしたし、関西コレクションのランウェイで歩く姿が見たかった」(同)
営業トークだと思わなかったのかという質問に対しては、
「出会いはライブ配信を通してで、何度も直接会っていた。始まりは飲み屋のキャストと客という関係ではない。お店に使ってくれと言われたらおかしいと思ったが、私の夢を叶えるのを手伝ってほしいと言われたので、全く疑わなかった」(同)
結婚した後の将来について話したことがあるかと聞かれると、
「子供の話をしたことはある。A子さんは余命宣告されていると話していた。突然元気な人が亡くなるわけがないですが、どんどん動けなくなったら…」(同)
ここまで答えると、言葉に詰まって急に黙った。沈黙の間、和久井被告の背中は小刻みに震えていた。泣きはじめたのである。結局、5分くらい経っても和久井被告は弁護人の質問に答えられず、一度、休廷を挟むことになった。
再開された尋問で、和久井被告は感情が込み上げて続けられなかった言葉をこう継いだ。
「自分が最後まで介護して看取ってから後を追うという話をA子さんにしていました」(同)
後編【「新宿タワマン刺殺」裁判傍聴ルポ 和久井学被告はなぜ犯行現場に「バイアグラと催涙スプレー」を持参したのか 検察は「疑似恋愛と認識していたはずで結婚詐欺ではない」】では、検察側が被告人質問で突いた「疑問点」と論告求刑について伝えている。







