「夫は出張でいないの」35歳の団地妻に何度も何度も誘惑されるも… 53歳夫が忘れられない「十代の初恋」の苦い記憶
【前後編の前編/後編を読む】「初恋の人妻」に会いたくて…探偵を雇って調べると そして始まった53歳夫の“思い出の後始末”
とある調査によると、男女問わず初恋の相手が忘れられない人は半数を超えるという。初恋といっても幼いころの淡い思い出から、初めてお互いに“恋人”と認識した対象までさまざまだ。
【後編を読む】「初恋の人妻」に会いたくて…探偵を雇って調べると そして始まった53歳夫の“思い出の後始末”
「僕にとって忘れられないのは、初めて好きになった人です。18歳のころでした」
少し照れたようにそう言うのは水田靖文さん(53歳・仮名=以下同)だ。18歳の彼の相手は35歳の人妻だった。相当、強烈な思い出があるらしい。
「大学に入ったばかりでした。子ども向けの英語教材を売るアルバイトを始めたんです。一軒ずつ回っても、なかなか買ってもらえない。それで団地を訪ね歩きました。『~~さんの家も買ってくれたんですよ』と言うと、案外、『じゃあ、うちも』となるものみたいで」
早希さんもそうだった。彼女は「うちの子はまだ3歳なんだけど」と言いながら家に上げてくれた。その日は近所に住む義母に預かってもらっていて、私はこれから出かけるところなのと言っていた。きれいに化粧した白い肌に彼は心臓が高鳴るのを感じていた。
「僕は地方の小さな町の出身で、大学生になって東京に出てきたんです。あんなきれいな人は地元では見たことがなかった。僕がどぎまぎしているのを察したのか、彼女は『おにいさん、若いわね』とからかうように言った。『教材を買ったら、私にもご褒美くれる?』と顔を近づけてきたとき、甘い香水の香りが漂ってきて……」
彼女はふふっと笑いながら、彼の頬に唇を寄せた。女性を知らなかった彼は頭がぼうっとしてきて教材を置いたまま、あわてて部屋から走り去った。お金をもらっていない、月賦にするかどうかも聞いてないと気づいたのは、団地から離れ、最寄り駅が見えてきたころだった。
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