40歳前後で年収1000万超…NHK局員の「給与削減」はあるのか 次の会長人事の行方
菅氏の動きに注目
1割の値下げでもNHKの2023年度決算は136億円の赤字になった。2024年度決算も449億円の赤字。今年度も来年度も赤字になる見通し。さらに1割の値下げとなったら、台所事情が相当苦しくなる。
今は内部留保で切り抜けているものの、もう1割値下げとなったら、深刻だ。既にBSは2023年12月から4波が3波になった。支出を抑えるためである。ラジオは2026年度からAMとFMの2波になる。次はどうするのか。
聖域である制作費や職員給与などの削減に手を付けざるを得なくなる可能性もある。給与削減は過去にも国会議員が何度か要求している。
NHKの情報公開によると、2024年度の大卒モデル年収は30歳で538万円。35歳で665万円。40歳前後には1000万円を超える。
高いと見るか安いと見るかの判断は分かれるだろうが、NHKとしては触れられたくないはず。職員の士気に関わり、新人の確保にも影響が出てしまいかねない。
一方で、菅氏は「値下げと受信料の支払い義務化はセット」とも主張してきた。直近の受信料支払い率は78.6%(2023度末)に留まっている。東京は66.6%の世帯しか払っていない。支払いが義務化となったら、NHKは快哉を叫ぶだろう。
もっとも、喜んでばかりはいられない。支払い義務化は両刃の剣になる可能性がある。義務化を機に受信契約そのものを解消する人が出ることが予想されるからだ。
既に契約を解消する人が相次いでいる。2019年度末に約4212万件だった受信契約数は2024年度末には約4067万件と大きく減った。若者を中心としたテレビ離れが待ったなしで進んでいるためだ。
引き算をすると、NHKの受信契約数は5年で約145万件も減ったことになる。大阪市の世帯数が約159万だから、かなり大きな数字だ。Netflixなどの動画を観る生活に移行した人が多いのだろう。
そもそも同局はどれぐらい観られているのか。6月第4週(23~29日)の個人視聴率を確認したところ、どの時間帯も6つの在京キー局の中で3位。ただし、テレビ離れの中心層である40代以下の視聴率は低く、5位である。
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