芸能界のルールを無視した「カリスマ芸人」が静かに終焉か とんねるず・石橋貴明の行方

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食道がんを公表

 6月29日、とんねるずの石橋貴明がパーソナリティを務めるTBSのラジオ番組「GATE7」が最終回を迎えた。そのことによって、石橋のテレビ・ラジオのレギュラー番組がゼロになった。

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 石橋は4月に食道がんを患ったことを公表して、芸能活動を休止していた。その後、「GATE7」では彼の代役として元プロ野球選手の五十嵐亮太が出演していた。最終回では、五十嵐の話し相手としてとんねるずの木梨憲武が登場。実は石橋だけではなく自分も野球好きだということをアピールして、数多くのプロ野球選手との交流や思い出を語っていた。

 病気療養のためにしばらく出演できないという事情があったとはいえ、かつては「夕やけニャンニャン」「とんねるずのみなさんのおかげです」「ねるとん紅鯨団」などの人気番組に出演してテレビバラエティの覇者として君臨していた石橋が、いまやレギュラー0本の窮地に陥っているというのは隔世の感がある。なぜそのような状況に追い込まれてしまったのだろうか。

 病気療養のために活動を控える前から、彼の仕事量は徐々に減少していた。とんねるずというコンビ自体が、数年前からほとんど活動休止に近い状態にあった。2024年にはコンビとして武道館ライブを行い、往年のファンを喜ばせていたものの、それ以外にはコンビとしての目立った活動はなかった。2018年に「とんねるずのみなさんのおかげでした」(フジテレビ系)が終わってから、テレビでは存在感を示すことができていない。

 デビュー当初のとんねるずは、無軌道な若者であることを売りにしていて、セットを壊したり、共演者や観客を挑発したりしながら、好き放題に暴れていた。特に石橋は態度も大きく、偉そうなイメージがあった。彼らと同世代の若者たちは、そんなとんねるずにカリスマ性を感じて、彼らの活躍に熱狂した。芸能界のルールを無視して暴れ回る姿が「反逆者」として格好良く見えていたのだ。

 その後、とんねるずの人気がどんどん高まっていき、彼らは本物のスターになった。だが、もともとの芸風を変えることはなかった。売れっ子になってからも、バラエティ番組の中では自由に暴れ回っていた。

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