帝王「ジャック・ニクラス」85歳の“ホンネ発言”にゴルフ界「えっ?」 引き合いに出された29歳選手の“反論”もまた物議

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「いい質問だ。私が答えよう」

 PGAツアーのメモリアル・トーナメントは、ゴルフ界の「帝王」ジャック・ニクラス(ニクラウス)が大会ホストを務める「ニクラスの大会」として知られる。

 最終日には、ニクラスが18番グリーン脇で待ち構え、勝利を収めた選手にも敗北した選手にも歩み寄って、握手をしたり、声をかけたりすることが、毎年の恒例になっている。

 そして、恒例化していることは、もう1つある。優勝会見の際、チャンピオンと並んで壇上に座ったニクラスが、優勝者より饒舌にしゃべり続けることも、「ニクラスの大会」ならではの“名物”だ。

 米メディアが優勝者に投げかけた質問に対しても、ニクラスが「いい質問だ。私が答えよう」という具合に返答し、司会進行を務めるPGAツアーのオフィシャルを傍目に、実質的な進行役になりかわることも、しばしばである。

 とはいえ、ニクラスはゴルフ界の誰もが認める「偉大なる帝王」であり、この大会はその名の通り「ニクラスの大会」ゆえ、その場にいる誰もが微笑みながらニクラスの言葉に耳を傾けるのが常だった。

 しかし、今年の優勝会見の際は、そうやって耳を傾けていた大会関係者や米メディアが一斉に「えっ?」と反応し、顔を見合わせる事態になった。

勝者シェフラーの横で興奮したニクラスが…

 オハイオ州のミュアフィールド・ビレッジで、5月29日から6月1日に開催された今年のメモリアル・トーナメントは、世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーが見事に2連覇を達成して幕を閉じた。

 優勝会見で壇上のシェフラーの横に座ったニクラスは、2位に4打差で圧勝したシェフラーの勝ちっぷりを讃え始めた。しかし、興奮気味になって、ついついボルテージが上がってしまった様子で、シェフラーに追撃をかけようと必死に戦った選手たちのことを、こんなふうに語った。

「ベン・グリフィンも、セップ・ストラカも、ニック・テイラーも、みなナイスプレーヤーだが、シェフラーは彼らが自分と同じ部類には属さないことを知っていたからね」

 シェフラーと「同じ部類」とは、世界ランキングの上位に位置する世界屈指のエリートグループという意味なのだろう。

 ニクラスの言葉は、ピラミッドの頂点部分に数えられるほんの一握りのエリートグループに、シェフラーはもちろん属しているが、この日、追撃をかけようとした他選手は「属さない」という意味になる。

 さらにニクラスは、ザンダー・シャウフェレのような世界ランキング上位選手から追撃をかけられたのなら、シェフラーも少しはプレッシャーを感じて戦い方を変えざるを得なかったかもしれないが、この日はそうする必要が無かったので、シェフラーは「容易に勝てた」とまで言い放った。

 この発言が米ゴルフ界で物議を醸したことは、想像に難くない。

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